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遺産分割協議書の作り方

遺言書がない場合には、相続人全員の話し合いによって、財産の分け方を決めるのでした。この話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。

遺産分割協議がまとまったら、その内容をきちんと書面にしておきます。後で揉めないようにという意味もありますが、その後のさまざまな相続手続き、たとえば銀行預金の解約や不動産の相続登記などで、遺産分割協議書の提出が求められるからです。

相続人全員の 実印 で捺印する

まずは形式的なところから説明します。

遺産分割協議書には、相続人全員実印で捺印し、全員が署名をします。

  1. 2ページ以上にわたる場合には、各ページに契印をします。
  2. 印鑑証明書に書いてあるとおりに住所、氏名を記入します(ちなみに、住所はパソコンで入力し、氏名のみ手書きで書くというケースが多いです。)。なぜかというと、銀行や法務局に提出する際、遺産分割協議書とセットで印鑑証明書を提出するからです。

また、相続人の1人でも署名捺印がないと、その遺産分割協議は無効となってしまいます。相続人調査で漏れがないように、また全員から署名捺印がもらえるように、くれぐれもご留意ください。

1枚にまとめても、同じ内容の協議書を複数枚でもよい

遺言書と違って、遺産分割協議書の様式については特に決まりはありません。手書きでもいいしパソコン作成でもいいです。その中で、知っておくとよいのが、協議書の枚数についてです。

遺産分割協議書は、1枚用意して全員がその紙に署名捺印してもいいし、同じ内容が書いてある遺産分割協議書を人数分用意して、相続人がそれぞれ署名捺印する方法でもいいです。相続人が3人いれば、3枚同じ内容の書面を用意し、それぞれ署名捺印するという具合です。

遠隔地に住んでいる相続人がいて、一同に集まることが難しい場合は、この方法を採ると便利ですね。

1枚に全員が署名捺印

(クリックすると拡大します)

同じ内容のものを人数分用意する

(クリックすると拡大します)

誰が、どの財産を相続するかを明記する

言うまでもありませんが、これが一番重要です。遺産分割協議の内容を明確に書きましょう。

誰が、の部分について、遺産分割協議において遺産を相続することができるのは、法定相続人のみです。遺言書の場合と異なり、相続人以外の第三者にあげる(遺贈する)ことはできませんので注意が必要です。

また、財産については、後述するとおり内容を正確に書くことはもちろんですが、財産の記載漏れがないようにしましょう。遺産分割協議書の作成後に記載漏れが判明した場合、もう1度協議書を作成し、署名捺印のやり直しという事態にもなりかねません。財産調査も含め、慎重に作成していただくようご留意ください。

財産の内容は正確に記載しよう

遺産の中には、不動産や預貯金、株式など、さまざまな種類の財産があると思います。財産の内容については、正確に記載しましょう。具体的には、

  1. 不動産:登記事項証明書に書いてあるとおりの所在、地番、家屋番号などを書く。住所(住居表示)と登記上の地番や家屋番号はまったく違う番号であることもありますので、注意してください。
  2. 預貯金:金融機関名、支店名、口座番号を正確に書く。通帳に書いてあるものを書き写しましょう。
  3. 株式:証券会社からの資料を参考に、銘柄、株数などを書きます。
  4. 自動車:車検証に書いてある車台番号を書きます。

 

猪狩 佳亮

【この記事の執筆者】

開業10年、多種多様な案件を解決してきた経験を有する、相続専門の司法書士。史上最年少で司法書士会川崎支部長に就任。全国各地の司法書士会で、相続手続きに関する研修講師も務める。

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