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司法書士から連絡がない…その不安、よく分かります
相続登記を司法書士に依頼したのに、その後まったく連絡がない。「手続きはちゃんと進んでいるのだろうか」「もしかして、忘れられているんじゃ…」そんなふうに、一人で悶々と悩んでいませんか?専門家を信頼して任せたはずなのに、進捗が見えない状況は本当に不安になりますよね。
この記事は、そんなあなたのためのものです。単なる手続きの解説ではなく、あなたの不安な気持ちに寄り添い、現状を正しく理解し、次の一歩を冷静に踏み出すための「心の処方箋」としてお読みください。
実は、司法書士会を通じて「依頼した司法書士から3ヶ月も連絡がないのですが…」といったご相談をお受けすることがあります。
詳しくお話を伺うと、相続人が多くて連絡調整に難航しているケースもあれば、残念ながら単なる業務懈怠(理由なく業務を進めていない)というケースまで、事情は様々です。しかし、たとえ手続きが難航していたとしても、依頼者様へ何の報告もせずに数ヶ月も放置するのは、プロとして正常な状態とは言えません。依頼から1ヶ月も連絡がなければ、不安になるのは当然のことです。
この記事を最後まで読めば、なぜ連絡が来ないのか、その理由を冷静に推測できるようになり、関係を悪化させることなく、スマートに進捗を確認する方法がわかります。一人で抱え込まず、まずは現状を一緒に整理していきましょう。相続手続きの全体像については、相続手続きの進め方と費用相場|専門家選びのポイントで体系的に解説しています。
なぜ連絡が来ない?考えられる3つの理由
司法書士からの連絡が途絶えてしまう背景には、いくつかの理由が考えられます。すぐに「放置されている!」と決めつける前に、まずはどんな可能性があるのかを知っておきましょう。それだけで、少し気持ちが落ち着くはずです。
理由1:相続手続きが想定以上に複雑で時間がかかっている
最も多いのがこのケースです。依頼者様から見ると「書類にハンコを押すだけ」のように見えるかもしれませんが、水面下では非常に地道で時間のかかる作業が行われています。

例えば、以下のような状況です。
- 戸籍謄本の収集に時間がかかっている:亡くなった方(被相続人)が何度も転籍を繰り返している場合、出生から死亡までのすべての戸籍を全国の役所から取り寄せる必要があります。役所によっては郵送でのやり取りに2〜3週間かかることもあり、すべての戸籍が揃うだけで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
- 他の相続人との連絡調整が難航している:相続人が多かったり、中には疎遠な方がいたりすると、全員の意思確認や書類のやり取りに想定以上の時間がかかることがあります。
- 法務局の審査が混み合っている:必要書類をすべて揃えて法務局に登記申請しても、すぐに完了するわけではありません。特に都市部の法務局では審査に数週間から1ヶ月以上待つこともあります。
こうした状況は、司法書士の怠慢ではなく、手続きの性質上どうしても発生してしまう時間です。とはいえ、良い司法書士であれば、時間がかかる見込みを事前に伝えたり、途中経過を報告したりするものです。一般的な相続登記にかかる期間を把握しておくと、遅延の度合いを判断する一つの目安になるでしょう。
理由2:担当司法書士が多忙で、報告・連絡が後回しになっている
次に考えられるのが、担当司法書士が単純に忙しすぎて、コミュニケーションが後回しになっているケースです。多くの司法書士は複数の案件を同時に進めており、特に緊急性の高い裁判手続きや取引の決済などが重なると、報告業務の優先順位が下がってしまうことがあります。
もちろん、これはプロとして褒められた対応ではありません。依頼者様を不安にさせている時点で、配慮が足りないと言わざるを得ないでしょう。しかし、悪意を持って放置しているわけではなく、単に手が回っていないだけ、という可能性も頭の片隅に置いておきましょう。
理由3:残念ながら、業務が放置されている可能性
あってはならないことですが、ごく稀に、依頼された業務を怠り、放置してしまっている司法書士も存在します。これはプロとして、また人としての信頼を著しく損なう行為です。
「依頼してから何ヶ月も経つのに一度も連絡がない」「こちらから電話やメールをしても、まともな返事がない、あるいは無視される」といった状況が続くようであれば、この可能性を疑う必要があります。専門家による不正行為は、依頼者にとって計り知れない損害をもたらす可能性もあります。後のセクションで、この「危険なサイン」を具体的に見分ける方法を詳しく解説します。
まずは冷静に。進捗確認に最適なタイミングとは?
「連絡がない」と焦ってすぐに電話をかけるのは、あまり得策ではありません。かえって「急かされている」と相手に思わせてしまう可能性もあります。大切なのは、適切なタイミングで、冷静に状況を確認することです。
一つの目安は「1ヶ月」です。
依頼してから1ヶ月以内は、前述の通り、戸籍の収集などでどうしても時間がかかってしまう期間です。この間に連絡がないからといって、過度に心配する必要はないかもしれません。もちろん、依頼時に「2週間後に一度ご連絡します」といった約束があった場合は別です。
しかし、何の連絡もないまま1ヶ月が過ぎたのであれば、一度、状況を伺う連絡を入れてみるのが良いでしょう。これは決して失礼なことではありません。依頼者として、当然の権利です。
この「1ヶ月」という目安を知っておくだけで、「まだ待つべきか」「そろそろ連絡してもいいか」という判断がしやすくなり、無用なストレスを減らすことができます。より詳しい手続きごとの期間も参考にしてみてください。
関係を損ねない「催促」の伝え方【メール文例付き】
進捗を確認したいと思っても、「催促して機嫌を損ねたらどうしよう…」とためらってしまいますよね。ご安心ください。伝え方さえ工夫すれば、関係を損ねることなく、スムーズに状況を確認できます。
電話は手軽ですが、「言った・言わない」のトラブルになりがちです。相手の時間を拘束してしまうデメリットもあります。そこでおすすめなのが、記録に残り、相手の都合の良い時に確認してもらえるメールでの連絡です。
基本の型:あくまで「状況確認」として連絡する
最も重要な心構えは、高圧的な「催促」ではなく、丁寧な「状況確認」というスタンスを貫くことです。相手を責めるような言葉は絶対に避けましょう。
【メール作成の3つのポイント】
1. 件名で用件と差出人を明確に:「【〇〇(自分の名前)】相続登記の進捗ご確認」など、一目で内容がわかるようにします。
2. クッション言葉で柔らかい印象に:「お忙しいところ恐縮ですが」「ご多忙の折、失礼いたします」といった一言を添えるだけで、印象が大きく変わります。
3. 相手を責めない、気遣う言葉を選ぶ:「どうなっていますか?」ではなく「その後のご状況はいかがでしょうか」。「何かこちらでご協力できることはありますか?」と付け加えるのも効果的です。
文例1:依頼から1ヶ月後、初めて確認する場合の丁寧なメール
最初の確認は、できるだけ低姿勢で、相手への配慮を前面に出すのがポイントです。

件名:【〇〇 〇〇(自分の氏名)】相続登記手続きの進捗ご確認
〇〇司法書士事務所
〇〇 〇〇先生お世話になっております。
先月〇日に、被相続人(父 〇〇)の相続登記手続きを依頼いたしました〇〇です。お忙しいところ大変恐縮ですが、その後の進捗状況はいかがでしょうか。
もし、こちらで追加で準備すべき書類などがございましたら、いつでもお申し付けください。ご多忙の折とは存じますが、お手すきの際にでもご返信いただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
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〇〇 〇〇(自分の氏名)
住所:〒XXX-XXXX 〇〇県〇〇市…
電話:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXXX@XXXX.com
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文例2:最初の確認後、さらに連絡がない場合の再確認メール
一度連絡しても返信がない場合は、少しだけ踏み込んで、具体的な回答を求める形にします。ただし、あくまで丁寧な姿勢は崩さないようにしましょう。
件名:【再送・ご確認】相続登記手続きの進捗について(〇〇 〇〇)
〇〇司法書士事務所
〇〇 〇〇先生お世話になっております。
先日、相続登記の件でご連絡いたしました〇〇です。度々のご連絡、大変失礼いたします。
もし、前回のメールが届いておりませんでしたら申し訳ございません。今後の見通しを立てたく、おおよそのスケジュール感だけでもお伺いできますと幸いです。
ご多忙とは存じますが、一言ご返信をいただけますようお願い申し上げます。
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〇〇 〇〇(自分の氏名)
住所:〒XXX-XXXX 〇〇県〇〇市…
電話:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXXX@XXXX.com
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これって放置?「通常の遅延」と「危険なサイン」の見分け方
メールを送っても返信がない、あるいは返信があっても曖昧な内容ばかり…。そんな状況が続くと、「もしかして放置されているのでは?」という疑念が強まりますよね。感情的にならず、客観的に状況を判断するためのチェックリストをご用意しました。
| チェック項目 | 通常の遅延(許容範囲) | 放置の危険サイン |
|---|---|---|
| 問い合わせへの反応 | 返信に数日かかることはあるが、連絡すれば返ってくる。 | 複数回連絡しても、完全に無視される。 |
| 説明の具体性 | 「現在、〇〇の戸籍を請求中です」「法務局に申請済みで、審査待ちです」など、具体的な状況説明がある。 | 「やっています」「もうすぐです」など、曖昧な返答に終始し、具体的な進捗が全く見えない。 |
| 事務所の様子 | 電話をすれば、担当者本人や事務員がきちんと対応してくれる。 | 電話が全く繋がらない。事務所を訪ねても不在が続く。 |
| 費用との関係 | 着手金や実費の支払いを求められることはあるが、その後の連絡は途絶えない。 | 高額な費用を前払いさせた後、連絡が取れなくなる。 |
もし「危険サイン」に複数当てはまるようであれば、残念ながら業務を放置されている可能性が高いと言えます。そもそも、依頼する前の段階で、信頼できる司法書士かを見極めることが何より重要です。
それでも解決しない場合の最終手段:司法書士会への相談
何度連絡しても無視される、明らかに業務を放置されている。そんな最悪のケースでも、一人で抱え込む必要はありません。あなたのためのセーフティネットが存在します。
それが、全国に設置されている「司法書士会」です。
司法書士会は、司法書士法に基づく法人で、司法書士の品位保持や業務の改善進歩を図るために会員の指導・連絡等を行う組織です。また、依頼者と司法書士との間で起きたトラブルに関する苦情相談窓口も設けられています。
【司法書士会に相談する前に準備するもの】
- 依頼した司法書士の氏名と事務所名
- 依頼した日付や業務内容がわかるもの(契約書など)
- これまでのやり取りの記録(メールの文面、電話のメモなど)
- 何に困っているのかを時系列でまとめたメモ
司法書士会に相談すると、苦情対応窓口で事情を整理し、状況に応じて司法書士会の制度(苦情対応や紛議調停等)の案内を受けられます。これにより、止まっていた手続きが再開につながることもあります。決して泣き寝入りせず、最終手段として、こうした公的な機関に相談するという選択肢があることを覚えておいてください。これは、あなたを守るための正当な権利です。司法書士会・自治体等の相続関連の無料相談窓口窓口は、こうしたトラブルの初期段階で活用するのも一つの手です。
相続手続きは、ただでさえ心労の多いものです。専門家との余計なトラブルで、さらに心をすり減らす必要はありません。この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
相続手続きに関するお悩みやご不安は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの心に寄り添い、最適な解決策を一緒に考えます。
相続手続きの相談お問い合わせフォーム

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所の司法書士 猪狩 佳亮(いがり よしあき)です。神奈川県川崎市で生まれ育ち、現在は遺言や相続のご相談を中心に、地域の皆さまの安心につながるお手伝いをしています。8年の会社員経験を経て司法書士となり、これまで年間100件を超える相続案件に対応。実務書の執筆や研修の講師としても活動しています。どんなご相談も丁寧に伺いますので、気軽にお声がけください。
