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武蔵小杉のマンション相続、要注意です【ご存知ですか?】
武蔵小杉エリアのマンション相続は、他の地域のケースとは全く異なる、特別な注意が必要です。なぜなら、近年の目覚ましい発展による不動産価格の異常なまでの高騰と、国による税制改正という2つの大きな波が、相続の現場に直接影響を及ぼしているからです。
特に、駅周辺に林立するタワーマンションの相続では、「うちの財産は基礎控除の範囲内だから相続税はかからないだろう」という従来の常識が通用しなくなってきています。2024年1月1日以降の相続等から適用が始まった国の新しい評価ルールにより、一定の要件を満たす分譲マンション(居住用の区分所有財産)の相続税評価額が見直され、結果としてタワーマンションを含む一部の物件では評価額が上がりやすくなり、これまで申告が不要だったケースでも相続税の申告・納税が必要になる可能性が出てきました。
「まさかうちが…」と思っている方ほど、この記事を読み進めてください。武蔵小杉のマンション相続に潜む特有のリスクと、後悔しないための正しい進め方について、相続の専門家が詳しく解説していきます。相続税の全体像については、相続税申告が必要かどうかの判断ポイントで体系的に解説しています。
【実際の相談事例】税・登記・分割が絡む武蔵小杉の相続
先日、お父様が亡くされたご長男の方から、こんなご相談がありました。
お父様の遺産の中に、武蔵小杉駅から徒歩3分という好立地のタワーマンションが含まれているとのこと。
購入当時4,800万円だったそのマンションは、今や実勢価格で8,000万円を超える価値がついています。ご相談者の最初の疑問は、多くの方が抱く素朴なものでした。
「マンションの相続って、固定資産税評価額で計算するんですよね?だったら、相続税はそんなに高くならないのでは?」
この考え、実は大きな落とし穴でした。私がすぐさま提携する相続専門の税理士をご紹介し、詳しい資産状況を元に試算してもらったところ、事態の複雑さが浮き彫りになったのです。
税理士が指摘したのは、以下の点でした。
- タワーマンション評価額の見直し(区分所有補正)による評価額の上昇
- 武蔵小杉エリアの路線価上昇に伴う、土地部分(敷地権)の評価額増加
- ご家族の状況では「小規模宅地等の特例」の適用が難しい可能性
これらを総合的に精査した結果、ご長男の想定をはるかに超える相続税が発生する可能性が判明しました。
しかし、問題はそれだけではありませんでした。相続人はご兄弟2人。お二人の間で、マンションの今後について意見が真っ向から対立してしまったのです。
- ご長男:「売却して、現金を公平に分けたい」
- 弟さん:「思い出の詰まった家だし、自分が住み続けたい」
ここからが、まさに専門家の腕の見せ所でした。
もし弟さんが住むなら、ご長男に代償金を支払う必要がありますが、その資金をどう準備するのか。安易に共有名義で登記してしまうと、将来売却したくなった時に弟さんの同意がなければ売れず、トラブルの火種になりかねません。さらに、相続不動産の評価額を巡る話し合いも必要です。登記、税務、そして将来の処分方法まで、すべてが複雑に絡み合っていたのです。
最終的に、私たち司法書士と税理士がタッグを組み、それぞれの専門知識を持ち寄って複数の遺産分割案と納税シミュレーションをご提示しました。ご兄弟が数字と法律に基づいて冷静に話し合える土台を整え、無事に円満な解決へと導くことができました。

放置は危険!武蔵小杉のマンション相続で陥る3つの罠
武蔵小杉のマンション相続には、知らずに進めると後で取り返しのつかないことになる「罠」が潜んでいます。ご自身で判断するのは非常に危険です。ここでは、特に注意すべき3つのポイントを解説します。
罠①:想定外の相続税。「評価額が低い」は過去の話です
「マンションは実勢価格(時価)よりも評価額が低く抑えられるから、相続税対策になる」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、その常識は、現在の武蔵小杉、特にタワーマンションにおいては通用しないと考えた方が賢明です。
その理由は2つあります。
1. 国税庁によるタワーマンション評価額の見直し
2024年1月1日以降の相続等から、新しい評価ルールが導入されました。これは、市場価格(実勢価格)と相続税評価額の乖離が大きいとされてきた分譲マンションの評価を見直すためのものです。具体的には、築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度などに基づいて区分所有補正率を算定し、家屋部分・土地部分の評価額に補正を行う仕組みで、物件によっては(特に条件によっては高層階などで)評価額が上がりやすくなります。
2. 武蔵小杉エリアの路線価の異常な上昇
相続税評価の基準となる路線価も、武蔵小杉駅周辺では著しく上昇しています。マンションの評価額は建物だけでなく、土地の権利(敷地権)も含まれるため、この路線価の上昇が評価額全体を押し上げているのです。
これらの要因により、相続財産の合計額が「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算される基礎控除額を超え、相続税の申告・納税が必要になるケースもあります。「うちは大丈夫」と油断していると、申告漏れを税務署から指摘され、ペナルティとして重い税金を課されるリスクもあるのです。なお、登録免許税は固定資産税評価額を基に計算する一方、相続税の評価は土地(敷地権)を路線価等で評価するなど算定方法が異なります(家屋部分は固定資産税評価額を用いることがあります)。両者は目的や評価方法が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
参照:国税庁「マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について」
罠②:「とりあえず共有」が将来の”争続”を招く
遺産分割で意見がまとまらない時、つい選びがちなのが「とりあえず兄弟で半分ずつ共有名義にしておこう」という選択です。しかし、これが将来の大きなトラブルの火種になることをご存知でしょうか。
特に武蔵小杉のような資産価値の高いマンションを共有名義にすると、以下のような問題が発生します。
- 売却したくてもできない:将来、マンションを売りたくなっても、共有者全員の同意がなければ売却できません。一人でも反対すれば、話は進まなくなります。
- 大規模修繕などで意見が対立:何百万円もの費用がかかる大規模修繕の際、共有者間で意見が割れてしまうこともあります。
- 権利関係が複雑化する:共有者の一人にさらに相続が発生すると、その子どもたちが新たな共有者となり、権利関係がネズミ算式に複雑化していきます。会ったこともない親戚と不動産を共有する事態にもなりかねません。
最終的には、売ることも貸すこともできず、固定資産税や管理費の負担だけが重くのしかかる「負動産」となってしまう恐れがあります。万が一、共有者が行方不明になってしまうと、さらに手続きは困難を極めます。安易な共有名義での相続は、将来のトラブル要因になりやすいため、慎重に検討すべき選択です。

罠③:「売るか住むか」を決めずに進める登記の危険性
これは司法書士としての専門的な視点からのアドバイスです。相続人の間で「将来このマンションを売却するのか、それとも誰かが住み続けるのか」という最終的なゴールを決めずに、とりあえず法定相続分で相続登記を進めてしまうのは非常に危険です。
なぜなら、分割方法によって、使える税金の特例や登記の進め方が全く変わってくるからです。
- 売却が前提の場合(換価分割):売却して現金を分ける方法です。この場合、相続税の申告で「取得費加算の特例」を使える可能性があり、売却時の税金(譲渡所得税)を抑えることができます。
- 誰かが住み続ける場合(代物分割・代償分割):特定の相続人がマンションを取得し、他の相続人には別の財産や現金を渡す方法です。この場合は、相続税を大幅に軽減できる「小規模宅地等の特例」の適用を検討する必要があります。
例えば、小規模宅地等の特例を使えるはずだったのに、先に法定相続分で登記してしまったために適用できなくなり、数百万円もの相続税を余計に支払うことになった…というケースも実際にあります。後から登記をやり直すとなれば、余計な費用と手間がかかってしまいます。代償分割を選択する場合の遺産分割協議書の書き方にも専門的なノウハウが必要です。
出口戦略をしっかり見据えた上で、最適な分割方法を設計し、それに沿った登記手続きを進めることが、損をしないための鉄則です。
複雑なマンション相続は「司法書士×税理士」連携が有力な選択肢
ここまでお読みいただき、武蔵小杉のマンション相続が、不動産の名義変更という「登記」の問題と、高額になりがちな「税務」の問題が複雑に絡み合う、非常に専門性の高い手続きであることをご理解いただけたかと思います。
この問題を解決するためには、司法書士か税理士、どちらか一方の専門家だけでは不十分なケースがほとんどです。だからこそ、当事務所のように、相続に強い税理士と緊密に連携している司法書士に相談することが「最適解」となるのです。相続手続きの専門家選びは、入り口で間違えると二度手間になりかねません。
最適な遺産分割案の立案とシミュレーション
私たち司法書士は、法律的に有効で、将来のトラブルを防ぐ遺産分割協議書の作成をサポートします。同時に、連携する税理士が、その分割案に基づいた相続税額を具体的にシミュレーションします。
例えば、「A案:長男がマンションを取得し、次男に代償金を支払う場合の税額」と「B案:売却して現金で分ける場合の税額と譲渡所得税」といったように、複数の選択肢を具体的な納税額と共に比較検討できます。これにより、相続人全員が感情論ではなく、客観的な数字に基づいて最も納得できる分割方法を選ぶことが可能になります。
相続税の特例を最大限活用した手続き設計
「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」、売却時の「取得費加算の特例」など、相続税や譲渡所得税を大幅に軽減できる特例は数多く存在します。しかし、これらの適用要件は非常に複雑で、遺産分割協議書の内容や登記の仕方と密接に関連しています。
司法書士と税理士が初期段階から連携することで、これらの特例を最大限に活用できるような遺産分割と登記手続きを一体で設計することが可能です。どちらを優先すべきか、あるいは生前贈与と相続登記のどちらが得かといった視点も含め、トータルで最適なプランをご提案します。結果として、数百万円単位での節税に繋がるケースも決して珍しくありません。
窓口一つで相続登記から(税理士による)相続税申告までスムーズに連携
相続手続きは、戸籍謄本の収集から始まり、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金の解約、そして相続税の申告まで、非常に多岐にわたります。これらを個人で行うには、いくつもの役所や金融機関、専門家とやり取りする必要があり、大変な時間と労力がかかります。
税理士と連携している当事務所にご依頼いただければ、これらの煩雑な手続きの窓口を一つに集約できます。お客様はあちこちに連絡したり、足を運んだりする必要がありません。時間的・精神的なご負担を大幅に軽減できる「相続手続きの丸ごと代行」サービスで、スムーズな相続実現をサポートします。

川崎市の相続に強い当事務所が武蔵小杉の皆様をサポートします
当事務所は川崎区にございますが、中原区、特に武蔵小杉エリアにお住まいの皆様からのご相談を数多くお受けしてまいりました。地元・川崎市に密着した事務所として、地域の不動産事情にも精通しております。
多数の相続案件を取り扱ってきた経験と、相続に強い税理士との連携体制が私たちの強みです。ご相談は可能な限り司法書士が丁寧に対応し、お一人おひとりのご事情に寄り添った解決策をご提案します。
ご来所いただくのが難しい場合でも、出張相談にも柔軟に対応しておりますので、どうぞご安心ください。司法書士事務所での無料相談は、具体的な解決への第一歩です。武蔵小杉のマンション相続でお悩みでしたら、まずはお気軽にご連絡ください。

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所の司法書士 猪狩 佳亮(いがり よしあき)です。神奈川県川崎市で生まれ育ち、現在は遺言や相続のご相談を中心に、地域の皆さまの安心につながるお手伝いをしています。8年の会社員経験を経て司法書士となり、これまで年間100件を超える相続案件に対応。実務書の執筆や研修の講師としても活動しています。どんなご相談も丁寧に伺いますので、気軽にお声がけください。
