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「どの司法書士も同じに見える…」相続相談で悩む方のリアルな声
大切なご家族が亡くなり、悲しみに暮れる間もなく始まってしまうのが、複雑で専門的な相続手続きです。多くの方が「専門家に任せれば安心」と考え、司法書士を探し始めますが、その第一歩で大きな壁にぶつかります。
インターネットで検索すれば、数多くの事務所がヒットするものの、どのホームページを見ても立派なことばかり書かれていて、一体誰を信じれば良いのか分からなくなってしまう…。そんな経験はありませんか?
実際に、相続手続きのために司法書士事務所を探されている方々からは、このような正直な声が寄せられています。
「『相続 司法書士 川崎』で検索すると、事務所がたくさん出てきて違いが分からない」
「口コミ評価は高いけれど、“何が得意なのか”までは見えない」
「『親切でした』という感想はあるが、本当に相続に強いのか判断できない」
「ホームページはどこも立派で、逆に選べなくなる」
「相談料や費用の安さだけで決めて後悔したくない」
「相続は一度きりの手続き。失敗したらやり直しがきかないのが怖い」
「弁護士・行政書士・税理士との違いも曖昧なまま不安を感じている」
「『うちのケースは少し複雑かも…』と思いながらも、誰に相談すべきか分からない」
これらの声は、ネット上の情報や評判だけでは、本当に信頼できる専門家の実力を見抜くのがいかに難しいかを物語っています。大切な財産と家族の未来を託す相手だからこそ、表面的な情報に惑わされず、ご自身の目で確かめる必要があります。この記事では、そのための「面談で見抜く技術」を具体的にお伝えしていきます。
司法書士選びで後悔…よくある3つの失敗パターン
「専門家に頼んだはずなのに、どうしてこんなことに…」。残念ながら、司法書士選びに失敗し、後悔される方は少なくありません。まずは、なぜ失敗が起きてしまうのか、よくある3つのパターンから学んでいきましょう。ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
失敗1:費用が不明瞭で、最後に追加請求に驚愕するケース
よくある失敗が、費用に関するトラブルです。「最初に聞いていた概算より、最終的な請求額が何十万円も高かった」という声が見られることもあります。
この失敗の根本原因は、見積もりの確認不足にあります。特に、司法書士への費用は「司法書士報酬」と、登記の際に国へ納める「登録免許税」などの「実費」に分かれます。この違いを理解しないまま口頭での説明だけを信じ、詳細な見積書をもらわずに依頼してしまうと、「話が違う」という事態に陥りがちです。遺産承継業務のような包括的なサポートを依頼する場合は特に、費用の透明性が極めて重要になります。

失敗2:「話が違う…」連絡が遅く、手続きが全く進まないケース
「依頼してから数週間、何の連絡もない」「問い合わせても返事が来るのが3日後…」。これも非常にストレスの溜まる失敗パターンです。
初回の面談では親身に対応してくれたのに、いざ契約すると担当が事務員に変わり、資格者である司法書士とは全く話せなくなることがあります。進捗報告がないため、手続きがどこまで進んでいるのか分からず、不安な日々を過ごすことになります。相続手続きには期限が設けられているものもあり、連絡の遅れが致命的な問題に発展するリスクも考えられます。特に、忙しい方向けに手続きのサポートを幅広く依頼したいと考えている方にとっては、円滑なコミュニケーションが取れるかどうかが重要です。
失敗3:手続き後に発覚…将来のリスク説明がなかったケース
最も深刻なのが、このパターンです。目先の不動産の名義変更は終わったものの、長期的な視点でのアドバイスがなかったために、後々大きな問題に見舞われるケースです。
例えば、「今回はお母様がすべて相続するのが一番簡単ですよ」という安易な提案に従った結果、次の相続(二次相続)の際に子供たちが多額の相続税を課せられてしまうことがあります。また、相続した不動産を売却した際の税金について何の説明もなかった、ということも考えられます。これらは、本来であれば司法書士が事前に説明すべき潜在的なリスクです。「ただ手続きを代行するだけ」の司法書士と、「依頼者の未来まで見据えてくれる」真の専門家との間には、天と地ほどの差があるのです。特に相続税申告の必要性など、他士業との連携が必要な場面でこそ、その司法書士の真価が問われます。
「良い司法書士」は探さない。“見抜く質問力”を身につける
多くの情報サイトでは「良い司法書士の選び方」が解説されています。しかし、私たちは少し違う視点をご提案します。それは、「良い司法書士を探す」のではなく、「依頼者自身が“見抜く質問力”を身につける」という考え方です。
なぜなら、「探す」という受け身の姿勢でいる限り、相手の言葉やホームページの情報を鵜呑みにしがちで、前述したような失敗のリスクから逃れられないからです。
そうではなく、あなた自身がこれからご紹介する「3つの質問」を携えて面談に臨むことで、主体的に、そして客観的に相手を評価する側に立つことができます。専門家を前にして物怖じする必要はありません。この質問力こそが、あなたとご家族を後悔から守る最強の武器になるのです。
【実践編】相続に強い司法書士か見抜く3つの質問
ここからは、あなたが面談でそのまま使える、具体的かつ実践的な質問をご紹介します。ただ質問するだけでなく、「なぜこの質問が有効なのか」「回答のどこに注目すべきか」まで詳しく解説しますので、ぜひご自身の「思考ツール」として活用してください。
質問1:専門性を見抜く「私たちのケースでの一番のリスクは何ですか?」
これは、司法書士の経験値と洞察力を測るための、最も重要な質問です。
【質問の意図】
この質問の狙いは、マニュアル通りの一般論ではなく、あなたの家族構成や財産状況といった個別具体的な事情をその場で素早く理解し、潜んでいる法務・税務上のリスクを的確に指摘できるかを見る点にあります。経験の浅い司法書士は、どうしても目の前の手続きをこなすことに終始しがちですが、真の専門家は、その先に起こりうる未来まで見通しています。
【回答のチェックポイント】
- 良い回答例:「お話を伺う限り、〇〇様のご家庭では、今回の相続で不動産をお母様名義にすると、次の相続(二次相続)の際に相続税の負担が大きくなる可能性がありますね」「ご兄弟の中に連絡が取りづらい方がいらっしゃるとのこと、将来的に遺留分の問題に発展しないよう、丁寧な進め方が必要です。」など、あなたの話した内容に基づいた具体的なリスクを指摘してくれる。
- 危険な回答例:「特に問題なさそうですよ」「まあ、大丈夫でしょう」「やってみないと分かりませんね」といった、具体性のない楽観的な回答。これは、リスクを想定するだけの経験が不足しているか、相談者の状況を真剣に分析していない可能性を示唆します。

質問2:費用への誠実さを見抜く「見積書の内訳を教えてください」
費用の透明性と、事務所の誠実な姿勢を見極めるための質問です。
【質問の意図】
単に総額を聞くのではなく、「内訳」を求めることが肝心です。これにより、どんぶり勘定ではなく、一つひとつの業務に対して明確な料金基準を持っているかを確認できます。また、追加費用が発生する可能性について、事前に誠実に説明してくれるかどうかも重要な判断材料となります。
【回答のチェックポイント】
- 良い回答例:その場で詳細な見積書を提示し、「こちらが私どもの報酬で、こちらが国に納める登録免許税などの実費です」「もし戸籍の収集が想定より多くなった場合、1通あたり〇円の追加費用がかかる可能性があります」など、各項目を丁寧に説明してくれる。特に相続登記の費用については、不動産の評価額によって実費が大きく変わるため、その計算根拠まで示してくれると、より信頼できます。
- 危険な回答例:「全部まとめて〇〇万円くらいですね」「詳しい見積もりは後日…」「やってみないと費用は分かりません」など、内訳の提示を渋ったり、曖昧な回答に終始する。これは、明確な料金体系がないか、後から追加請求をする可能性がある危険なサインです。
質問3:人柄と対応力を見抜く「手続き中、主に連絡をくださるのはどなたですか?」
依頼後のコミュニケーションの質と、事務所の業務体制を見極めるための、シンプルながら非常に効果的な質問です。
【質問の意図】
失敗パターン2で見たように、初回相談の担当者と実務担当者が異なり、「話が違う」と感じるケースは少なくありません。この質問によって、誰が責任を持ってあなたの案件を進めてくれるのか、依頼後の連絡体制はどうなっているのかを事前に確認することができます。
【回答のチェックポイント】
- 良い回答例:「はい、最初から最後まで私が責任をもって担当させていただきます」「主な連絡は事務スタッフからになりますが、重要なご判断をいただく場面や進捗のご報告は、必ず私から直接ご連絡します」など、責任の所在が明確で、安心感のある回答。
- 危険な回答例:「それは担当の者になります」「ケースバイケースですね」「誰が担当するかはまだ…」など、回答が曖昧で、責任者が誰なのかはっきりしない。これは、依頼後に丸投げされ、コミュニケーション不全に陥るリスクが高いと言えるでしょう。
回答でわかる!「連絡が早い・説明が丁寧」な司法書士の特徴
面談では、質問への回答「内容」だけでなく、司法書士の「話し方」や「態度」にも注目してください。連絡が早く、説明が丁寧な司法書士には、共通する特徴があります。これらは、依頼後の手続きがいかにストレスなく進むかを左右する重要なサインです。
- 専門用語を自然に言い換えてくれるか?
「登記簿謄本」を「不動産の戸籍のようなもの」、「法定相続分」を「法律で決まっている取り分」など、難しい言葉を意識的に分かりやすい言葉に置き換えて説明してくれる司法書士は、依頼者の目線に立つ能力が高いと言えます。 - 質問しやすい雰囲気を作ってくれるか?
こちらの話を遮らずに最後まで聞いてくれるか。「こんなことを聞いたら失礼かな?」と思わせない、穏やかで話しやすい雰囲気があるか。あなたの小さな疑問にも真摯に耳を傾けてくれる姿勢は、信頼関係の土台となります。 - 話の要点をまとめてくれるか?
複雑な話を整理し、「つまり、今やるべきことは3つです。1つ目は…」というように、要点をまとめてくれるか。これは、思考が整理されている証拠であり、手続きを的確かつスピーディに進めてくれる能力の表れでもあります。
こうしたコミュニケーション能力の高さは、相続という精神的にも負担の大きい手続きを進める上で、何よりの安心材料となるはずです。まずは無料相談で「質問力」を試してみませんか?
初回相談を成功させるための準備リスト
面談で的確なアドバイスと正確な見積もりを引き出すためには、事前の準備が欠かせません。完璧である必要はありませんので、分かる範囲で以下の情報を整理しておくと、相談が非常にスムーズに進みます。
- 登場人物がわかる簡単なメモ(手書きの家系図など)
亡くなった方(被相続人)と、相続人になる方の関係性が一目でわかると、司法書士はすぐに状況を把握できます。 - 財産と負債のリスト
不動産(住所が分かればOK)、預貯金(銀行名と大まかな残高)、有価証券、借金など、判明している範囲で構いませんので、メモにまとめておきましょう。 - 不動産の固定資産税納税通知書
もし手元にあれば、ご持参ください。不動産の評価額が記載されており、義務化された相続登記にかかる登録免許税(実費)を正確に計算できます。 - 遺言書の有無
遺言書があるかないかで、手続きの流れは大きく変わります。公正証書遺言か自筆証書遺言か、といった情報も重要です。 - 相談したいことのメモ
面談では緊張してしまい、聞きたかったことを忘れてしまうこともあります。事前に質問したいことをリストアップしておくと安心です。
これらの準備は、司法書士にあなたの状況を正確に伝え、より質の高いアドバイスを得るために非常に重要です。また、出生から死亡までの戸籍など、手続きで必要になる書類についても、この段階で質問しておくと良いでしょう。
まとめ:最高のパートナー司法書士は、あなた自身が見つけ出す
相続手続きのパートナーとなる司法書士選びは、単に「良い事務所を探す」という受け身の作業ではありません。それは、あなた自身が「主体的に質問し、相手の専門性と誠実さを見抜く」という能動的なプロセスなのです。
ホームページの美しさや口コミの数に惑わされる必要はもうありません。この記事でご紹介した3つの質問という武器を手にすれば、あなたは専門家を客観的に評価し、心から信頼できる、あなたにとって最高のパートナーを見つけ出すことができるはずです。
相続という大きな不安を乗り越え、ご家族が安心して次のステップに進むために、まずは勇気を出して面談の場で質問を投げかけてみてください。その一歩が、後悔のない相続を実現するための最も確実な道筋となるでしょう。

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所の司法書士 猪狩 佳亮(いがり よしあき)です。神奈川県川崎市で生まれ育ち、現在は遺言や相続のご相談を中心に、地域の皆さまの安心につながるお手伝いをしています。8年の会社員経験を経て司法書士となり、これまで年間100件を超える相続案件に対応。実務書の執筆や研修の講師としても活動しています。どんなご相談も丁寧に伺いますので、気軽にお声がけください。
