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川崎市の無料相談、本当に市役所だけで大丈夫ですか?
ご家族の相続や、不動産の手続きなど、専門的な知識が必要な問題に直面したとき、「まずは無料で専門家に話を聞いてみたい」と考えるのは自然なことですよね。特に川崎市にお住まいの方なら、市役所や区役所で行われている無料相談の利用を検討される方も多いのではないでしょうか。
「公的な機関だから安心だし、何より無料なのが一番」
そう考える一方で、心のどこかでこんな不安を感じていませんか?
- 「相談時間が短いって聞くけど、ちゃんと話せるのかな…」
- 「表面的なアドバイスだけで、結局何も解決しなかったらどうしよう」
- 「もし話が複雑だったら、たった一回の相談で理解できるんだろうか」
その不安、とてもよく分かります。「無料で済ませたい」という気持ちと、「でも、失敗したくないし二度手間になるのは絶対に避けたい」という慎重な気持ちが入り混じっているのではないでしょうか。
この記事を読めば、川崎市の市役所・区役所の無料相談と、私たちのような司法書士事務所が行う無料相談の「決定的な違い」が分かります。そして、あなたの状況にとってどちらが本当に賢い選択なのか、自信を持って判断できるようになります。大切な時間と労力を無駄にしないために、後悔しない相談先選びのヒントを、専門家の視点から具体的にお伝えします。
【相談員が語る】市役所・区役所の無料相談のリアルな限界
川崎市では、市内7つの各区役所で、月に2回程度のペースで司法書士による無料相談会が開催されています。これは市民の皆さんにとって非常に便利な制度であり、私たち川崎市の司法書士が交代で相談員を担当しています。
実は、私も年に一度、この相談員として皆様のお話をお伺いする機会があります。市民の方の力になれる貴重な機会なのですが、正直に申し上げて、毎回「本当にご満足いただけただろうか…」という一抹の不安を抱えながら会場を後にするのです。
なぜなら、そこには構造的な「限界」が存在するからです。例えば、相談時間は3時間で6件を担当します。つまり、お一人あたりにかけられる時間は移動や準備を含めると30分もありません。この短い時間では、どうしてもお伝えできることに限りが出てきてしまうのです。
事実、当事務所には「区役所の相談に行ったけれど、時間が足りなくて消化不良だった」と、改めて私たちの無料相談を利用される方が少なくありません。ここでは、相談員を経験したからこそ語れる、市役所・区役所相談のリアルな限界について、具体的にお話ししたいと思います。
当事務所でも無料相談は対応しています。ご依頼いただくかどうか検討中の方が対象です(自分で登記申請するので申請書や添付書類のチェックをしてほしい、というような場合は法務局の無料相談をご案内しています)。時間制限は特にありません。だいたい60分程度が平均です。60分あれば、相談内容を細かく深掘りしながら相談対応ができます。また、区役所相談ではお渡しできない、当事務所オリジナルの資料(相続手続きの流れや必要書類のリスト、料金表など)をお渡しして、視覚的にわかりやすい説明ができます。区役所相談ではできない、お見積書もお渡しが可能です。
当事務所が川崎区役所から近いこともあるのか、区役所相談では消化不良だった、と当事務所の無料相談を利用される方は割と多いです。

限界1:相談時間はわずか25分、核心に触れられない
川崎市の区役所で実施される「司法書士相談」は、1人あたりの相談時間が25分と定められています。この「25分」という時間が、どれほど短いか想像してみてください。
まず、ご挨拶をして、お持ちいただいた資料に目を通し、ご家族の状況やこれまでの経緯を簡単にお伺いするだけで、あっという間に10分は過ぎてしまいます。残された時間はわずか15分。ご兄弟が何人いるのか、誰がどこに住んでいるのか、財産には何があるのか…といった複雑な状況をすべてお話しいただくには、時間が絶対的に足りません。
結果として、私たちは断片的な情報から推測できる、あくまで一般的なアドバイスに終始せざるを得なくなります。「おそらく、こういう手続きが必要になるでしょう」「この書類を集めてみてください」といった表面的なお話はできても、なぜそうなったのか、他にどんなリスクが潜んでいるのかといった、問題の核心にまで踏み込むことは物理的に不可能なのです。
相談を終えた方が「何となく分かったような、分からないような…」という顔をされているのを見ると、相談員として非常に心苦しく感じます。
限界2:書類作成や手続き代行は一切できない
無料相談の限界の一つが、基本的に「その場での助言」が中心になる点です。具体的な書類作成や申請手続の代行まで、その場で対応できるとは限りません。
- 遺産分割協議書の作成
- 不動産の名義変更(相続登記)の申請
- 銀行や証券会社での預貯金解約手続き
- 家庭裁判所に提出する書類の作成
これらの実務は、市役所の相談窓口の業務範囲外です。「やり方は教えてもらえるかもしれないけれど、結局、一番大変で面倒な作業は全部自分でやらなければならない」というのが現実です。
複雑な戸籍謄本を読み解いたり、法務局の専門的な書式を不備なく作成したりするのは、一般の方には大変な負担です。アドバイスだけを受けても、結局は自分自身で膨大な時間と労力をかけて手続きを進めるか、改めて専門家を探して依頼し直す必要が出てくるのです。
限界3:その場限りの関係で、継続的なフォローはない
市役所・区役所の相談会は、日程によって担当する司法書士が異なることがあります。つまり、相談員との関係は「その場限り」の一期一会です。
相続手続きは、数ヶ月から時には1年以上かかる長期戦になることも珍しくありません。相談した時点では分からなかった新たな疑問が後から出てきたり、手続きの途中で壁にぶつかったりすることは日常茶飯事です。
しかし、そんな時に「先日相談した先生にもう一度聞きたい」と思っても、川崎市の司法書士相談は同一案件での相談が1回限りとされているため、継続的に同じ前提で相談を重ねることはできません。また一から予約を取り、次回は別の専門家に、ゼロから事情を説明し直さなければなりません。これでは、一貫性のあるサポートは期待できません。
問題解決まで責任を持って伴走してくれるパートナーがいない、という心細さは、長期にわたる手続きにおいて大きな精神的負担となり得ます。
司法書士事務所の無料相談が「賢い選択」である3つの理由
市役所相談の限界をお話ししましたが、ではどうすれば良いのでしょうか。その答えが、私たちのような司法書士事務所が個別に行っている無料相談を活用することです。一見、専門家への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、実は「失敗したくない」と考える慎重な方にとってこそ、最も合理的でメリットの大きい選択なのです。その理由を3つ、具体的にお伝えします。
理由1:時間無制限で、問題の根本原因まで深掘りできる
司法書士事務所での無料相談は、市役所のように厳格な時間制限はありません。当事務所でも特に時間を区切ってはいませんが、平均すると60分程度、じっくりとお話を伺うことが多いです。
この「時間の余裕」が、相談の質を劇的に変えます。25分では表面をなぞるだけで終わってしまう話も、60分あれば、ご家族それぞれの想いや、言葉にはなっていない不安、将来起こりうる潜在的なリスクまで、問題の根本原因に深く踏み込んでヒアリングすることができます。
「実は、兄弟との関係があまり良くなくて…」
「父は生前、こんなことを言っていたんです」
そうした背景まで丁寧に伺うことで、単なる手続き論ではない、ご家族にとって真に納得のいく解決策の糸口が見えてくるのです。時間を気にせず、安心してすべてを話せる環境が、より良い解決への第一歩となります。

理由2:具体的な見積もりと解決までの道筋がわかる
私たちの無料相談は、ご依頼を検討いただくための場でもあります。そのため、お話を伺った上で、「もし、この手続きを当事務所にご依頼いただいた場合」という具体的なお見積もりをその場で提示することが可能です。
どの手続きに、どれくらいの費用がかかるのか。すべて完了するまでに、おおよそどれくらいの期間がかかるのか。市役所の相談では決して得られない、解決までの「具体的な見通し」が立つことで、漠然とした不安は解消され、前に進むための冷静な判断ができるようになります。
当事務所では、オリジナルの料金表や、相続手続きの流れをまとめた資料などもお渡ししながら、視覚的にも分かりやすくご説明することを心がけています。この透明性が、安心してご依頼いただくための信頼の証だと考えています。もちろん、費用相場についても丁寧にご説明しますので、ご安心ください。
理由3:相性を確認し、信頼できる専門家か見極められる
相続のようなデリケートでプライベートな問題は、最終的に「誰に任せるか」が非常に重要になります。手続きを託す専門家との相性や信頼関係は、手続きをスムーズに進める上で何よりも大切な要素です。
無料相談は、その司法書士が本当に信頼に足る人物か、あなた自身の目で見極めるための絶好の機会です。
- こちらの話を親身になって聞いてくれるか?
- 専門用語ばかり使わず、分かりやすく説明してくれるか?
- 質問しやすい雰囲気を作ってくれるか?
こうした点を直接会って確認し、「この先生になら安心して任せられる」と心から思えるかどうかを判断してください。無料相談は、最高のパートナーを見つけるための「お見合い」のようなもの。複数の事務所の話を聞いて比較検討するのも、もちろん良い方法です。後悔しない専門家選びのために、無料相談を積極的に活用すべきです。
あなたはどっち?無料相談の最適な使い分け診断
ここまで読んで、市役所と司法書士事務所、それぞれの特徴をご理解いただけたかと思います。では、あなたご自身の状況では、どちらを選ぶのが賢明なのでしょうか。ここで簡単な診断をしてみましょう。
【市役所・区役所の相談が向いている人】
- 相続制度や登記の仕組みなど、ごく一般的な情報だけを知りたい
- 具体的な手続きを依頼するつもりはなく、すべての作業を自分で行う覚悟がある
- 質問したいことが1つか2つに絞られており、25分で完結すると確信している
- 相続人の関係が非常に良好で、財産の内容もシンプル(預貯金と自宅のみなど)
【司法書士事務所の相談が向いている人】
- 面倒な手続きは専門家に丸ごと任せたいと考えている
- 何から手をつけていいか分からず、全体的な流れを整理してほしい
- 相続人同士で意見がまとまらなそう、または疎遠な相続人がいる
- 不動産が複数ある、株式があるなど、財産の内容が複雑
- 「失敗したくない」「二度手間は避けたい」という気持ちが強い
もしあなたが後者のリストに一つでも当てはまるなら、最初から司法書士事務所の無料相談を利用する方が、結果的に時間と労力の節約につながる可能性が高いと言えるでしょう。
「また今度」が命取りに。相談を先延ばしにするリスク
「まだ時間はたっぷりあるし、もう少し自分で調べてからにしよう」
そう思って、専門家への相談を先延ばしにしていませんか?しかし、相続手続きにおいて「また今度」は非常に危険です。
相続には、法律で定められた厳しい期限が存在します。例えば、借金などマイナスの財産を引き継がないための相続放棄は、原則として「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。この期間を過ぎると、借金を背負わざるを得なくなる可能性があります。
また、時間が経てば経つほど、相続人の状況が変わることもあります。相続人が亡くなってさらに次の相続(数次相続)が発生したり、認知症になって判断能力が低下したりすると、関係者は雪だるま式に増え、手続きは指数関数的に複雑化していきます。
さらに、2024年4月1日からは不動産の相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると過料(罰金のようなもの)が科される可能性も出てきました。(参考:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)
「無料相談だから」と軽く考えず、問題が小さく、関係者が少ないうちに専門家の助言を得ることが、円満な解決への一番の近道なのです。「今すぐ相談しなければ」と少しでも感じたら、ぜひ行動に移してください。
まとめ:川崎での最初の相談は、経験豊富な司法書士へ
今回は、川崎市で利用できる無料相談について、市役所・区役所と司法書士事務所の違いを詳しく解説しました。
市役所の相談は手軽で便利ですが、時間や内容に厳しい「限界」があることをご理解いただけたかと思います。一方で、司法書士事務所の無料相談は、時間をかけて状況を整理し、選択肢や費用の目安を具体化しやすいため、結果的に遠回りを避けられる可能性があります。
もしあなたが、「貴重な時間を無駄にしたくない」「二度手間をかけて遠回りしたくない」と真剣に考えているなら、最初の相談相手として、経験豊富な司法書士を選ぶことが最も賢明で効率的な選択と言えるでしょう。最終的に司法書士に依頼するメリットは計り知れません。
当事務所では、あなたの不安や疑問に、司法書士自身が丁寧にお答えします。どんな些細なことでも構いません。あなたの心の曇りを晴らすお手伝いができれば幸いです。

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所の司法書士 猪狩 佳亮(いがり よしあき)です。神奈川県川崎市で生まれ育ち、現在は遺言や相続のご相談を中心に、地域の皆さまの安心につながるお手伝いをしています。8年の会社員経験を経て司法書士となり、これまで年間100件を超える相続案件に対応。実務書の執筆や研修の講師としても活動しています。どんなご相談も丁寧に伺いますので、気軽にお声がけください。
