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相続不動産の評価額で対立!解決策と放置するリスクを解説

2025-11-26

「実家の価値」で兄弟と対立…なぜ不動産の評価額は揉めるのか?

「兄さんは実家に住み続けるからいいけど、私たちは現金で公平にもらいたい」「この家の価値は、そんなに低いはずがない」

親御様が大切に残してくれたはずの実家をめぐり、相続人である兄弟姉妹の間で意見が食い違い、話し合いが前に進まなくなってしまう…。相続のご相談では、このようなケースが後を絶ちません。

なぜ、相続不動産の評価額はこれほどまでに揉めてしまうのでしょうか。その背景には、主に2つの根深い原因があります。ご自身の状況を客観的に見つめ直すためにも、まずはその原因から理解していきましょう。

立場が違えば希望額も違う「同床異夢」

相続不動産の評価額で対立が生まれる最大の原因は、相続人それぞれの立場によって、不動産に対する「思惑」がまったく異なるからです。

  • 不動産を相続して住み続けたい相続人(例:長男)
    他の相続人に対して、不動産の価値に応じた「代償金」を支払う必要があります。そのため、不動産の評価額はできるだけ低くしたいと考えます。評価額が低ければ、支払う代償金を抑えられるからです。
  • 不動産は不要で、現金で公平に分けたい相続人(例:長女・次男)
    不動産を相続する兄弟から受け取る「代償金」や、不動産を売却した場合の「売却代金」が自分の取り分になります。そのため、評価額はできるだけ高くしたいと考えます。評価額が高ければ、もらえるお金が増えるからです。

同じ不動産を見ているはずなのに、片や「安く」、片や「高く」と、真逆のゴールを目指している状態です。これでは、話し合いが平行線をたどってしまうのも無理はありません。

固定資産税評価額が書かれた書類と、不動産会社の査定書を指さす二つの手。相続不動産の評価基準が複数あることを示すイメージ。

どの数字を信じる?4つの異なる「不動産の価格」

対立をさらに複雑にするのが、不動産の価格には「唯一絶対の正解」がないという事実です。一般的に、不動産の価格を示す指標には、主に以下の4つがあります。

評価指標概要価格水準の目安
①実勢価格(時価)実際に市場で売買される価格。不動産会社が周辺の取引事例などを基に査定する。100%
②公示地価国が公表する土地の標準的な価格。公共事業の用地取得価格の基準になる。地域・時期により異なるが、一般に実勢価格に近い水準で公表されることが多い
③相続税路線価相続税や贈与税を計算するために国税庁が定める価格。一般に実勢価格より低めに設定される傾向があるが、比率は地域・年次で変動
④固定資産税評価額固定資産税などを計算するために市町村が定める価格。3年に1度見直される。一般に実勢価格より低めに評価されることが多いが、その差は地域・時期で変動
不動産の主な評価指標

このように、目的の異なる複数の「価格」が存在するため、「どの価格を基準にするか」で意見が分かれてしまうのです。例えば、家に住み続けたい相続人は「税金の計算に使う固定資産税評価額を基準にすべきだ」と主張し、現金が欲しい相続人は「実際に売れる価格である実勢価格を基準にすべきだ」と主張する、といった具合です。

評価額の対立を放置する末路|起こりうる3つの最悪シナリオ

「そのうち誰かが折れるだろう」「時間が解決してくれるかもしれない」
不動産評価額の対立は、精神的にも負担が大きく、つい問題を先送りにしたくなるかもしれません。しかし、この問題を放置することは、想像以上に深刻な事態を招く可能性があります。

シナリオ1:遺産分割協議が進まず、預貯金も引き出せない

不動産の評価額が決まらないと、遺産の総額が確定できません。その結果、遺産分割協議そのものが完全にストップしてしまいます。

これは、不動産だけの問題ではありません。亡くなった方の預貯金の解約・払戻しや、株式・投資信託の名義変更など、他の相続手続きも進めることが難しくなります。遺産分割協議書には、すべての相続財産の分け方を記載し、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要だからです。

いつまでも預貯金が引き出せないままでは、ご自身の生活にも影響が出かねません。

シナリオ2:相続税の申告遅延で、無駄な税金(加算税・延滞税)が発生

相続に関する手続きで最も注意すべきなのが、相続税の申告・納付期限です。この期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と定められており、遺産分割協議がまとまっていなくても待ってはくれません。

もし、この期限までに申告・納付が間に合わないと、

  • 本来の税額に加えて「無申告加算税」が課される
  • 納付が遅れた日数に応じて「延滞税」が課される

といったペナルティが発生し、本来払う必要のなかった税金を負担することになります。さらに、遺産分割が未了のまま申告(未分割申告)をすると、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった大幅な節税につながる特例が使えません。

評価額の対立を長引かせた結果、数百万円、数千万円単位で損をしてしまう可能性もあるのです。

参考:No.9205 延滞税について

シナリオ3:感情的な対立が激化し、家族関係が崩壊

お金の問題以上に深刻なのが、家族関係の破綻です。最初は不動産の評価額という事務的な話だったはずが、話し合いが長引くにつれて、「昔から兄さんばかり優遇されていた」「お前は親の面倒を何も見てこなかったくせに」といった過去の不満や感情的なしこりが噴出し、収拾がつかなくなるケースは少なくありません。

お互いへの不信感が募り、やがて憎しみ合う関係にまで発展してしまうと、その亀裂を修復するのは非常に困難です。お金では決して取り戻すことのできない、最も悲しい結末と言えるでしょう。

【解決策】不動産評価額の対立を円満に解決する3ステップ

では、どうすればこの困難な状況を乗り越え、円満な解決に至ることができるのでしょうか。感情的な対立を避け、客観的な事実に基づいて冷静に話し合うための具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:複数の不動産会社から査定書を取得する

まず、議論の土台となる客観的な判断材料を集めることが重要です。1社だけの査定では、その価格が妥当なのか判断が難しいため、できれば3社程度の不動産会社に査定を依頼し、査定価格とその根拠が記載された「査定書」を取得しましょう。

このとき、相続人がそれぞれバラバラに査定を依頼すると、「自分に都合の良い査定額を持ってきた」と相手に不信感を与えかねません。相続人同士で合意の上、代表者がまとめて依頼するか、全員立ち会いのもとで査定を依頼するなど、プロセスを共有することで公平性を保つことが大切です。

これにより、相続人全員が「おおよその相場観」を共有することができます。

ステップ2:客観的な資料を基に、評価額の着地点を探る

集めた複数の査定書や、固定資産評価証明書などの客観的な資料をすべてテーブルの上に並べ、相続人全員で冷静に話し合います。感情論ではなく、「どの資料を基準に、いくらと評価するのが最も合理的か」という視点で着地点を探っていきましょう。

例えば、以下のような方法が考えられます。

  • 複数の査定額の平均値を取る
  • 最も高い査定額と最も低い査定額の中間の金額で合意する
  • 査定額の平均と、固定資産税評価額などを考慮して調整する

遺産分割における不動産の評価方法に、法律上の決まりはありません。相続人全員が納得し、合意できれば、どのような価格を基準にしても良いのです。

とはいえ、当事者だけではどうしても感情的になりがちです。そんなときは、司法書士のような相続の専門家が第三者として間に入ることで、冷静な話し合いを促進し、法的な観点から公平な解決策をご提案することも可能です。

ステップ3:合意が難しい場合は不動産鑑定士に依頼する

どうしても当事者間での合意が難しい場合の最終手段として、国家資格者である不動産鑑定士による「鑑定評価」があります。

不動産鑑定士が作成する「不動産鑑定評価書」は、専門家による詳細な評価であり、裁判所や税務署等で重要な参考資料として扱われることが多いです。ただし、評価の前提や手法が争点となる場合には異論が出ることもあります。この評価額を基準とすることで、争いに終止符を打つ有力な材料となり得ます。

ただし、不動産鑑定の費用は通常30万円~50万円程度が相場とされますが、物件によって大きく変動します。作成期間も数週間から1ヶ月以上かかる場合があるため、これはあくまで最終手段と考え、できる限りステップ2までの話し合いで解決を目指すのが望ましいでしょう。

不動産鑑定士が専門的な道具を使って物件を調査している様子。相続トラブル解決の最終手段である不動産鑑定をイメージした写真。

【相談事例】評価額2,500万円と1,200万円の対立はどう解決した?

当事務所に寄せられた、実際の相談事例をご紹介します。理論だけでなく、具体的な解決プロセスを知ることで、ご自身の状況を乗り越えるヒントが見つかるかもしれません。

このケースは、長男Aさんと長女Bさんが相続人でした。遺産はご実家の土地建物と預貯金が数百万円。Aさんは「このまま実家に住み続けたい」と希望し、その代わりにBさんへ代償金を支払うことで話を進めようとしました。

しかし、その前提となる不動産の評価額について、二人の意見は真っ向から対立してしまったのです。

  • Aさんの主張:「固定資産評価額は1,200万円程度。市場で売っても同じくらいのはずだ」
  • Bさんの主張:「近所の不動産会社に聞いたら2,500万円と言われた。代償金として半分の1,250万円はもらわないと納得できない」

Aさんは「そんな高値で売れるはずがない」と反論し、Bさんも「査定は専門家の客観的な意見だ」と一歩も譲りません。お二人の主張の隔たりは1,000万円以上。これでは話が進むはずもなく、遺産分割協議は何ヶ月も停滞してしまいました。

ご相談を受け、私はまず、感情的になっているお二人を落ち着かせ、客観的な事実に基づいて着地点を探るための具体的なステップをご提案しました。

それは、先ほどご紹介した「解決策」のステップそのものです。まず、当事者間で信頼できる不動産会社を3社選び、共同で査定を依頼しました。その結果は、「2,100万円」「2,300万円」「2,400万円」という、Bさんの主張に近い数字でした。

この3社の査定書という客観的な資料を前にお話し合いの場を設けたところ、Aさんも当初の主張に固執することなく、冷静に現実を受け入れてくださいました。最終的には、3社の査定額の真ん中あたりである「2,300万円」で評価することに双方が納得され、無事に遺産分割協議書を作成することができたのです。

この事例の教訓は、感情的な言い争いをやめ、誰もが認めざるを得ない「客観的な材料」を揃えることが、解決への何よりの近道だということです。

争いを未然に防ぐために、今からできること

ここまで、すでに対立が起きてしまった場合の解決策についてお話ししてきました。しかし、最も望ましいのは、そもそもこのような争いが起きないようにしておくことです。

将来の相続で、大切な家族が不動産の評価額を巡って争うことを防ぐために、最も有効な対策は「遺言書を作成しておくこと」です。

遺言書で、「誰にどの不動産を相続させるか」を明確に指定しておくだけでも、争いの火種を大きく減らすことができます。さらに、「不動産の評価は、相続開始時点における固定資産税評価額を基準とする」といったように、評価の基準まで具体的に定めておくと、相続人たちが評価方法で揉める余地がなくなります。

遺言書は、残された家族への最後のメッセージであり、家族を争いから守るための強力なツールです。もしご自身の相続で家族に同じ思いをさせたくないとお考えでしたら、ぜひ遺言書を作成しなくてはいけない理由の記事もご覧ください。

不動産評価額の対立は、相続の専門家と一緒に解決しませんか?

相続不動産の評価額をめぐる対立は、当事者だけで解決しようとすると、どうしても感情的になりやすく、問題をこじらせてしまいがちです。

そんなときこそ、私たち司法書士のような相続の専門家にご相談ください。第三者である専門家が間に入ることで、冷静な話し合いの場を設け、円満な解決へのお手伝いができます。

司法書士が間に入る3つのメリット

  1. 公平な立場での資料収集と情報整理
    対立する相続人のどちらか一方の味方をするのではなく、中立・公平な立場で、不動産査定書の手配など客観的な資料収集をサポートします。複雑な情報を整理し、話し合いの土台を整えます。
  2. 冷静な話し合いの進行役
    専門家が同席することで、感情的な発言が抑えられ、建設的な話し合いがしやすくなります。法的な観点から、それぞれの主張の妥当性を判断し、お互いが納得できる落としどころをご提案します。
  3. 合意内容を法的に有効な「遺産分割協議書」に
    話し合いでまとまった内容は、法的に有効な「遺産分割協議書」として正確に文書化する必要があります。登記の専門家である司法書士が作成することで、後の不動産名義変更(相続登記)までスムーズに進めることができます。

いがり円満相続相談室が選ばれる理由

川崎市・横浜市を中心に活動する当事務所は、「円満な相続」の実現を第一に、多数の相続手続きをお手伝いしています。

当事務所の最大の特徴は、司法書士である代表の猪狩佳亮(いがり よしあき)が、最初のご相談から手続き完了まで一貫して直接対応させていただくことです。流れ作業のような対応は一切せず、お客様一人ひとりのお気持ちに丁寧に寄り添い、最適な解決策を一緒に考えます。

また、お仕事でお忙しい方でもご相談いただきやすいよう、平日夜間や土日祝日のご相談にも柔軟に対応(要予約)しております。

不動産の評価額で兄弟と対立し、どうすればよいか分からずお悩みでしたら、どうか一人で抱え込まないでください。あなたの不安な心に「安心」を届け、円満な相続が実現できるよう、私たちが全力でサポートいたします。

まずは無料相談からはじめてみませんか?お気軽にご連絡ください。

成年後見人の報酬は一生払う?費用を抑えるリレー型後見とは

2025-11-25

「成年後見人の報酬を一生払う?」ネット情報の不安を解消します

「親の認知症が進んできたので、実家を売却して施設入所の費用にあてたい…」「でも、そのためには成年後見制度を利用しないといけないらしい…」

そうお考えになったとき、多くの方がインターネットで情報を検索されることでしょう。そして、こんな言葉を目にして不安になっていませんか?

  • 「専門家が後見人になると、報酬が高額になる」
  • 「一度始まったら、本人が亡くなるまで報酬を“一生”払い続けなければならない」
  • 「年間30万円以上かかることもあり、10年、20年と続けば数百万円にもなる…」

大切なご家族のためとはいえ、これほど大きな経済的負担が長期間続くかもしれないと考えると、制度の利用をためらってしまうのも無理はありません。

しかし、どうかご安心ください。ネットの断片的な情報だけでは見えてこない、専門家への報酬負担を大きく軽減できる具体的な方法が存在します。

この記事では、相続と成年後見を専門とする司法書士が、成年後見人の報酬に関する皆様の不安を一つひとつ丁寧に解消していきます。そして、特に不動産の売却が関わるケースで有効な「リレー型後見」という解決策について、実際の事例を交えながら分かりやすく解説します。

最後までお読みいただければ、「成年後見制度=高額な費用が一生続く」というイメージが覆り、安心して次の一歩を踏み出すための知識が身についているはずです。

まず知っておきたい成年後見人の報酬の基本

漠然とした不安を解消するためには、まず成年後見人の報酬が「どのように決まるのか」という基本的な仕組みを正しく理解することが大切です。報酬は後見人が勝手に決めるものではなく、すべての手続きが終わった後に家庭裁判所が決定します。

報酬の相場は月額2万~6万円が目安

家庭裁判所は、報酬額の目安を公表しています。報酬には、日常的な財産管理に対する「基本報酬」と、特別な業務に対する「付加報酬」の2種類があります。付加報酬は裁判所が具体的な事務の内容・労力を踏まえて個別に認定するため、必ずしも一定の割合で算定されるものではありません。

家庭裁判所が示す目安では、管理財産額に応じて一般的に月額おおむね2万円から6万円程度の範囲が示されることがありますが、最終的な金額は事案ごとの業務量や裁判所の判断で決まります。

管理財産額基本報酬額のめやす
1,000万円以下2万円
1,000万円を超え5,000万円以下3万円~4万円
5,000万円を超える場合5万円~6万円
成年後見人等の基本報酬額のめやす(月額)

例えば、管理する財産が預貯金1,000万円とご自宅(不動産)の場合、基本報酬は月額3万円~4万円程度になる可能性が高い、と大まかに予測することができます。

不動産売却など特別な業務には「付加報酬」が発生

「基本報酬」に加えて、通常の後見業務の範囲を超えるような特別な行為を行った場合には、その労力に応じて「付加報酬」が上乗せされます。これが、報酬総額が変動する大きな要因です。

付加報酬が発生する典型的なケースが、不動産の売却です。

ご本人のご自宅などを売却するには、家庭裁判所から「居住用不動産処分許可」を得る必要があります。この許可を得るための申立てや、不動産業者とのやり取り、売買契約の締結、登記手続きなど、一連の複雑な手続きを後見人が行います。こうした特別な業務に対して、基本報酬とは別に、不動産売却に伴う付加報酬が認められる場合があり、裁判所の事案ごとの判断により金額や割合が異なります(裁判所の目安が参考になることがありますが、必ずしも一律ではありません)。

その他にも、遺産分割協議や保険金の請求、訴訟対応などを行った場合にも付加報酬が発生する可能性があります。

「売家」の看板が立てられた日本の住宅。成年後見制度を利用した不動産売却をイメージさせます。

報酬はいつまで?誰が払う?

「報酬は一生払い続けるの?」というご質問に対しては、一般に、後見が終了するまで報酬が発生しますが、後見が解除される(例えば本人の判断能力が回復する等)場合や家庭裁判所の判断で終了する場合もありますので、必ずしも死亡まで継続すると断定できるわけではありません。

通常は、家庭裁判所の審判に基づいて本人の財産から報酬が支払われますが、事案によっては別の取扱いがなされる場合もあり、裁判所の審理・許可が必要です。

後見人は、年に一度、家庭裁判所に財産管理の状況を報告し、その際に報酬付与の申立てを行います。そして、裁判所が決定した報酬額を、ご本人の預貯金から受け取ることになります。ご家族がご自身の生活費から直接負担するわけではない、という点はぜひ覚えておいてください。

参考:成年後見人等の報酬額のめやす

【解決策】不動産売却後の「リレー型後見」で費用を抑える

「報酬が本人の財産から支払われるのは分かった。でも、大切な親の財産が報酬でどんどん減っていくのはやっぱり避けたい…」

そう思われるのは当然のことです。特に、不動産売却のような大きな目的がある場合、その目的が達成された後も専門家への報酬がずっと続くことに疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。

そこで私たちがご提案しているのが、「リレー型後見」という手法です。これは、専門家への報酬支払いを必要な期間だけに限定し、その後の負担を大幅に軽減できる、非常に有効な選択肢です。

リレー型後見とは?専門職から親族へバトンタッチ

リレー型後見とは、その名の通り、後見人の役割をリレーのように引き継ぐ方法です。

具体的には、まず不動産の売却といった専門的な知識や手続きが必要な期間だけ、司法書士などの専門家が後見人に就任します。そして、売却手続きや代金の管理体制の構築といった最も重要なミッションが完了した時点で、後見人の役割をご家族(親族)にバトンタッチするのです。

一般的な流れは以下のようになります。

  1. 後見開始の申立て:司法書士などの専門家を後見人候補者として、家庭裁判所に申立てを行います。
  2. 専門家による後見業務:選任された専門家が、家庭裁判所の許可を得て不動産を売却します。
  3. 財産管理の仕組みづくり:売却で得た大きなお金を安全に管理するため、信託銀行などを活用する「後見制度支援信託」や「後見制度支援預貯金」といった仕組みを利用します。これにより、日常的に使うお金以外は信託銀行等が管理するため、親族後見人の方の負担が減り、財産の安全性も高まります。
  4. 親族後見人へ交代:専門家が行うべき業務が完了した段階で、専門家は家庭裁判所の許可を得て後見人を辞任し、あらかじめ候補者としていたご家族(子など)に後見人を交代します。

専門家が行う業務を限定して交代することで報酬負担を短期化できる場合がありますが、具体的な期間は事案によって異なり必ず1年以内とは限りません。親族後見人に交代した場合でも、必要があれば裁判所への申立てで報酬が認められることがあります(※)。

(※親族後見人でも、特別な事情があれば家庭裁判所に報酬付与の申立てをすることは可能です)

【当事務所の事例】リレー型で報酬負担を軽減できたケース

「リレー型後見」がどれほど効果的か、当事務所で実際にあったご相談事例(複数の事案を組み合わせ、個人の特定ができないように変更しています)をもとにご説明します。

【ご相談のきっかけ】
ある日、娘さんから切羽詰まったご様子でお電話がありました。「母の認知症が進み、このまま一人暮らしをさせるのは心配です。母名義の実家を売却して、施設の入居費用にしたいと考えています。でも、母はもう自分で契約できる状態ではありません。ネットで調べたら、成年後見制度を使わないといけないと…。でも、『司法書士が後見人になったら、母が亡くなるまでずっと報酬を払い続けなければいけない』って書いてあって…」

娘さんは、お母様の将来にわたる費用を心配され、「専門家への報酬を長期間払い続けなければならないのでしょうか?」と、その声は不安で震えていました。

【当事務所からのご提案】
私たちは、娘さんの不安に深く共感し、こうご提案しました。
「お気持ちはよく分かります。ですが、ご安心ください。ずっと専門家が後見人を続ける必要はありません。今回のように『不動産を売却する』という明確な目的がある場合、その専門的な手続きが終われば、後見人をお母様のことを一番よく分かっている娘さんにバトンタッチする『リレー型後見』という方法があります。専門家への報酬は、不動産売却が終わるまでの一時的なものになりますから、総額を大きく抑えられますよ」

このご提案に、娘さんの表情がぱっと明るくなったのを今でも覚えています。

【解決までの流れと結果】
ご依頼後、私たちは迅速に手続きを進めました。

  1. 当事務所の司法書士を後見人候補者として後見開始の申立てを行い、無事に選任されました。
  2. 複数の不動産業者から見積もりを取り、最も高い価格を提示した業者と契約し、家庭裁判所の許可審判を得たうえで、実家を売却しました。
  3. 売却代金は、安全のため信託銀行に預ける「後見制度支援信託」を設定しました。
  4. 今後の生活に必要な分だけを普通預金口座に移し、専門家としての役割を完了。後見人を辞任し、娘さんを後任の後見人として選任してもらう申立てを行い、無事にバトンタッチが完了しました。

最終的に、家庭裁判所が決定した当事務所への報酬(付加報酬を含む)は、数十万円台となりました。この金額だけを見ると高く感じられるかもしれませんが、これは不動産売却という大きな業務に対する一度きりの報酬です。事例の試算では大きな差が生じる場合があることが示されましたが、将来の費用は事案ごとに異なるため、個別の見積・裁判所の判断が必要です。

最も大変な手続きを専門家に任せ、その後の財産管理はご家族の手に戻ったことで、娘さんには大変ご安心いただくことができました。

報酬が払えない場合は?公的な助成制度も

ここまで読んで、「リレー型後見は魅力的だけど、そもそも本人の財産が少なくて、最初の専門家への報酬も払えるか心配…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ご本人の収入や資産が一定の基準を下回る場合など、経済的な理由で後見人の報酬を支払うことが困難な場合には、市区町村が費用を助成してくれる「成年後見制度利用支援事業」という制度があります。

助成を受けられる条件や金額はお住まいの自治体によって異なりますが、例えば「生活保護を受給している」「住民税が非課税である」といった方が対象となることが多いです。この制度により、経済的な理由だけで制度の利用を諦める必要はありません。

ご自身の状況が対象になるか分からない場合は、お住まいの市区町村の福祉担当窓口や、私たちのような専門家にご相談ください。

参考:成年後見制度利用支援事業の適切な実施について

まとめ:後見人の報酬は工夫次第。まずは専門家にご相談ください

今回は、多くの方が不安に感じる成年後見人の報酬について、その仕組みと費用を抑えるための具体的な方法を解説しました。

この記事のポイントを振り返ってみましょう。

  • 成年後見人の報酬は、家庭裁判所が決定する(基本報酬は月額2~6万円が目安)。
  • 報酬は、原則として本人が亡くなるまで、本人の財産から支払われる。
  • 不動産売却など特別な業務には「付加報酬」が上乗せされる。
  • 不動産売却が目的の場合、「リレー型後見」で専門家への報酬支払いを一時的なものにできる。
  • 経済的に困難な場合は、公的な助成制度を利用できる可能性がある。

ネット情報には事実と誤解が混在しているため、具体的なケースについては専門家に相談して、制度の仕組みと選択肢を確認することが重要です。

特に、不動産の売却が関わるようなケースでは、最初から最後まで専門家が後見人を務めるのではなく、必要な業務が終わればご家族にバトンタッチする、という考え方は、ご本人のためにも、ご家族の経済的・精神的な負担を軽くするためにも、非常に合理的だと私たちは考えています。

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所(神奈川県司法書士会所属、代表者:猪狩佳亮、所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町12番14号 シャンボール川崎505号)では、成年後見制度に関する豊富な知識と実績をもとに、ご家族ごとのお悩みや状況に合わせてご相談の上で個別にプランを提案します。もし、あなたが成年後見制度の利用や費用について少しでも不安や疑問をお持ちでしたら、一人で悩まずに、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。あなたとご家族が安心して未来へ進むためのお手伝いをさせていただきます。

詳しくは「成年後見をご検討中の方へ」のページもご覧ください。

どうぞお気軽にいがり綜合事務所の無料相談はこちらからお問い合わせください。

相続の預金手続き、銀行が教えない口座凍結と引出しの裏側

2025-11-21

【要注意】ご家族が亡くなっても、すぐに銀行へ連絡してはいけません

大切なご家族が亡くなられた後、やらなければならない手続きは山のようにあります。その中でも、故人の預貯金の解約手続きは避けて通れないものの一つです。多くの方が、「まずは銀行に死亡したことを連絡しなければ」と考えがちですが、実はその行動が、かえってご自身を苦しめてしまう可能性があることをご存知でしょうか?

銀行に死亡の事実が届くと、銀行は通常速やかに口座を利用停止(いわゆる凍結)にする手続きを取ります。そうなると、葬儀費用の支払いや、残されたご家族の当面の生活費に充てようと思っていたお金が引き出せず、途方に暮れてしまうケースが後を絶ちません。

この記事では、相続専門の司法書士が、銀行が教えてくれない口座凍結の「裏側」と、知らずに行うと後で大きなトラブルになりかねない預金引き出しのリスク、そしてそれらを回避するための正しい知識と方法を、分かりやすく解説します。

銀行口座はいつ凍結される?その仕組みと実態

まず、最も気になる「口座はいつ凍結されるのか?」という疑問にお答えします。結論から言うと、口座が凍結されるのは「銀行が口座名義人の死亡の事実を知った時点」です。現時点では、一般に市区町村役場が金融機関へ個別に死亡情報を一斉自動連携する仕組みはありません(※制度や取扱いは将来的に変わる可能性があるため、最新情報は公的機関で確認してください)。

では、銀行はどのようにして死亡の事実を知るのでしょうか。主なケースは以下の通りです。

  • 相続人(家族)から電話や窓口で連絡があった
  • 新聞のお悔やみ欄に掲載されていた
  • 近所の方や会社の関係者など、第三者からの情報提供があった

これらのケースの中でも、圧倒的に多いのが「相続人からの連絡」です。つまり、ご家族が行動を起こさない限り、すぐに口座が凍結されることはほとんどないのが実態なのです。

死亡届を出しても口座は凍結されない

一般には、役所に死亡届を出しただけで銀行へ自動的に情報が渡り直ちに口座が凍結されるわけではありません。ただし、年金機構等の他機関を介して金融機関が死亡を把握するケースはあり得ます。

そのため、死亡届を提出したからといって、即座に預金が引き出せなくなるわけではありません。この点を正しく理解しておくことが、慌てずに行動するための第一歩となります。

凍結の合図は「相続人からの連絡」がほとんど

最も典型的な失敗例は、相続手続きの進め方を聞こうと銀行に電話した際、うっかり「父が亡くなったのですが…」と伝えてしまうケースです。その一言で、銀行は通常、確認を行ったうえで口座を利用停止にする対応を取る場合があります。その結果、電話を切った後にはもうATMでお金をおろすことができなくなり、「葬儀代が払えない!」とパニックに陥ってしまうのです。

善意からの行動が、かえって状況を悪化させてしまう。これが、預貯金相続の最初に待ち受けている大きな落とし穴です。

銀行の窓口に置かれた「お手続き」の案内。相続手続きの煩雑さを象徴している。

凍結前の預金引き出しは可能?知っておくべき3つの重大リスク

「凍結される前なら、キャッシュカードで引き出してしまえばいいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。物理的には、ATMで現金を引き出すことは可能です。しかし、その行為には、あなたの将来を左右しかねない、3つの重大なリスクが潜んでいます。

リスク1:借金も相続する「単純承認」とみなされる

故人の預金を引き出して用途不明のまま使用すると、民法上『相続財産の処分』と判断され単純承認となる可能性があります。ただし、葬儀費用など社会通念上妥当な支出は処分に当たらないと判断される場合もあるため(裁判例あり)、相続放棄の可能性がある場合は一切手を付けないのが安全です。

もし後から故人に多額の借金が発見された場合、「私は財産を承認したので、借金は放棄します」という都合の良い主張は認められません。本来であれば相続放棄についての手続きをすれば借金を背負わずに済んだはずが、軽い気持ちで預金を引き出したばかりに、故人の借金まで全て相続しなければならなくなるのです。これは最も避けなければならない最悪のシナリオです。

リスク2:「使い込み」を疑われ、相続が泥沼の争いに発展する

他の相続人に相談なく預金を引き出す行為は、たとえ葬儀費用などの正当な目的であったとしても、非常に危険です。他の兄弟姉妹などから見れば、それは「財産の使い込み」と疑われても仕方ありません。

「なぜ黙ってお金をおろしたんだ」「本当に葬儀代に使ったのか証拠を見せろ」「自分の懐に入れたんじゃないか」…一度生まれた不信感は、簡単には拭えません。これがきっかけで相続人同士の関係が悪化し、本来スムーズに進むはずだった遺産分割協議が紛糾し、家庭裁判所での調停や審判といった「争続」に発展するケースは、残念ながら数多くあります。

リスク3:税務署に「贈与」や「相続財産隠し」を指摘される

税務署は、亡くなる直前の口座の動きを厳しくチェックしています。特に、亡くなる直前に多額の現金が引き出されている場合、「これは相続税を逃れるための財産隠しではないか?」あるいは「生前に贈与されたものではないか?」と疑いの目を向けられる可能性があります。

もし相続財産として申告しなければ、後日の税務調査で指摘され、本来の相続税に加えて重いペナルティ(過少申告加算税や延滞税)が課されることになりかねません。税務の観点からも、安易な引き出しは絶対に避けるべきです。

故人の預金通帳をめぐり、険悪な雰囲気で話し合う相続人たち。無断の引き出しが原因で相続トラブルに発展する様子。

専門家が教える!トラブルを防ぐための引き出し方【相談事例】

リスクを理解した上で、それでも「葬儀費用など、どうしても支払わなければならないお金がある場合はどうすれば?」という切実な声があるのも事実です。当事務所にも、そうした不安を抱えた方が多く相談に来られます。

【ご相談事例(内容は個人が特定できないよう変更しています)】

先日、お父様を亡くされたという方から、ご相談がありました。
「主人が亡くなったら、銀行口座は凍結されてしまうんですよね…? 葬儀代やお寺へのお布施、これからの支払いをどうしたらいいのか。お金の管理は全部主人がしていたので、手元に現金がなくて…凍結されたら本当に払えません。どうしましょう…」

その不安な心に寄り添い、私はまず落ち着いていただくことから始めました。そして、口座凍結の仕組みと、今やるべきことを具体的にお伝えしました。

「多くの場合、銀行が死亡を把握するまでは直ちに口座が利用停止にならないことがありますが、年金や保険、公共料金の処理など個別の事情により早めに連絡が必要なこともあります。不安な場合はまず専門家に相談してください」

続けて、どうしても現金が必要な場合の注意点について、こうアドバイスさせていただきました。

「実は、亡くなる前後にATMの限度額いっぱいまで毎日引き出しているご家庭は少なくありません。ただし、絶対に守ってほしいルールが2つあります。1つは、他の相続人全員に『葬儀費用として〇〇円引き出します』と事前に伝え、同意を得ること。もう1つは、引き出したお金の使い道を証明できるよう、全ての領収書を必ず保管しておくことです。この2つを守れば、後でトラブルになることは防げます」

このアドバイスを聞き、ご相談者は心から安堵されたご様子で、「知らなかった…相談して本当に良かったです」とおっしゃっていました。専門家として、不安を安心に変えるお手伝いができたと感じた瞬間でした。

このように、やむを得ず預金を引き出す場合は、

  1. 他の相続人全員から事前に同意を得る
  2. 何のためにいくら使ったか、領収書などの証拠を必ず残す

この2点を鉄則として守ってください。これが、ご自身の身を守り、円満な相続を実現するための最低限のルールです。

凍結されても大丈夫!預金の正式な相続手続きと2つの方法

「すでに銀行に連絡して口座が凍結されてしまった…」という方も、ご安心ください。正しい手順を踏めば、預金は必ず相続できます。ここからは、凍結された口座を解約するための正式な手続きについて解説します。

必要書類を揃えて銀行窓口で手続きする

預貯金の相続手続きの基本的な流れは以下の通りです。

  1. 銀行の窓口に連絡し、相続が発生した旨を伝え、手続きに必要な書類(相続届など)を取り寄せる。
  2. 故人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)を収集する。
  3. 相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書を用意する。
  4. 遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、「遺産分割協議書」を作成する。
  5. 銀行所定の相続届と遺産分割協議書に、相続人全員が署名し、実印を押印する。
  6. 収集した全ての書類を銀行に提出する。

書類に不備がなければ、通常1〜2週間ほどで指定の口座に解約金が振り込まれます。この手続きで最も大変なのが「戸籍謄本の収集」と「相続人全員の協力」です。特に相続人が遠方に住んでいたり、関係が疎遠だったりすると、書類のやり取りだけで大変な時間と労力がかかります。

【緊急時】預貯金の仮払い制度を利用する

遺産分割協議がなかなかまとまらない場合でも、当面の費用を支払えるように、2019年の民法改正で「預貯金の仮払い制度」が創設されました。これにより、他の相続人の同意がなくても、家庭裁判所の手続きを経ずに、相続人の一人が単独で一定額の預金を引き出すことが可能になりました。

引き出せる金額には「(相続開始時の預金額)× 1/3 ×(仮払いを受ける相続人の法定相続分)」という上限があり、さらに一つの金融機関からは150万円までという制限もあります。緊急時には非常に便利な制度ですが、必要書類の準備や計算が煩雑なため、やはり最終的には専門家を通じて正式な遺産分割手続きを進めるのが最も確実な方法と言えるでしょう。

参考:相続された預貯金債権の払戻しを認める制度について(法務省)

司法書士が遺産分割協議書や戸籍謄本など、相続手続きに必要な書類を整理している様子。専門家による正確な手続きを表現。

預貯金の相続手続きは司法書士に任せるのが一番確実な理由

ここまで読んで、「思ったより手続きが大変そうだ…」と感じられた方も多いのではないでしょうか。故人を亡くした悲しみの中で、不慣れな手続きをご自身で進めるのは、心身ともに大きな負担となります。そんな時こそ、私たち相続の専門家である司法書士にご相談ください。

司法書士は「遺産承継業務」として、ご遺族の代理人となり、預貯金の解約手続きを含むあらゆる相続手続きを代行することができます。専門家に依頼することは、単に「楽ができる」以上の大きなメリットがあります。

面倒な戸籍収集から銀行とのやり取りまで全て代行

相続手続きで最も時間と手間がかかるのが、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集める作業です。本籍地が何度も変わっている場合は、全国の役所に請求しなければならず、大変な労力を要します。司法書士にご依頼いただければ、この膨大な戸籍収集から、金融機関ごとの複雑な手続き、必要書類の作成、窓口でのやり取りまで、全てを代行いたします。ご遺族の方は、煩雑な作業から解放され、故人を偲ぶ時間に専念していただけます。

中立な専門家として相続人間のトラブルを防ぐ

相続手続きを特定の相続人が一人で進めると、「本当に正しくやっているのか?」「自分に不利なように進められていないか?」といった疑念や不満が他の相続人から出てくることがあります。司法書士が中立な専門家として間に入ることで、全ての手続きを法律に則って公平に進めることができます。財産目録を作成し、全員に状況を透明性をもって報告することで、相続人間の無用な対立を防ぎ、円満な相続の実現をサポートします。

当事務所の預貯金解約代行サービスと費用

相続手続きの代行を承ります。まずは事前相談で手続きの内容や費用を説明します。

当事務所のサービスは、ご依頼者様のお話をじっくりと伺い、丁寧に対応し、手続きの代理や支援を行うものです。

  • 預貯金解約代行サービス:基本料金 1銀行あたり 66,000円(税込)~ 
    ※表示料金は必要書類が揃っていることを前提とした基本的な解約手続きに対する基本報酬の金額であり、戸籍収集手数料、郵券実費、法定書類取得費用、追加手続きが発生する場合の加算は別途実費を申し受けます。正式な報酬は事前見積りにて提示します。また、ゆうちょ銀行は基本料金88,000円(税込)~になります。

不動産の名義変更(相続登記)や、相続放棄、遺言書の作成など、他の相続手続きもまとめてご依頼いただくことが可能です。相続に関するお悩みは、ワンストップで対応できる当事務所にお任せください。

まとめ|預貯金の相続は専門家へ相談し、円満・確実に進めましょう

ご家族が亡くなられた後の預貯金手続きには、口座凍結のタイミングや、安易な引き出しによるトラブルなど、多くの落とし穴が潜んでいます。正しい知識がないまま行動してしまうと、取り返しのつかない事態を招きかねません。

大切なのは、慌てて自己判断で動く前に、まずは専門家に相談することです。相続のプロである司法書士に任せることで、法的なリスクを回避し、煩雑な手続きから解放され、何よりもご家族間の円満な関係を守ることができます。

いがり綜合事務所では、川崎市・横浜市を中心に、相続に関する無料相談を承っております。平日夜間や土日祝日のご相談にも対応しておりますので、お仕事でお忙しい方も、まずはお気軽にご連絡ください。あなたの不安を「安心」に変えるお手伝いをさせていただきます。

まずは無料相談から。預貯金の相続手続きは当事務所へお任せください

事務所名:司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所
所在地:〒210-0012 神奈川県川崎市川崎区宮前町12番14号 シャンボール川崎505号
代表者:司法書士・行政書士・社会保険労務士 猪狩 佳亮
所属:神奈川県司法書士会、神奈川県行政書士会、神奈川県社会保険労務士会

相続税申告は必要?司法書士ができる判断と税理士連携の重要性

2025-11-20

相続税申告、自分で判断は危険?まずは司法書士にご相談ください

「親が亡くなったけれど、うちの場合は相続税の申告が必要なのだろうか…」
「遺産に不動産があるから、税金が心配…」

大切なご家族を亡くされた悲しみの中で、相続手続きを進めるだけでも大変な中、さらに「相続税」という大きな不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。

一般的に「相続手続きや不動産の名義変更(相続登記)は司法書士、税金のことは税理士」というイメージがあるかもしれません。しかし、実際には「そもそも相続税申告が必要なのかどうか」という最初の判断で迷われる方が非常に多いのが現実です。

遺産の総額はいくらなのか、不動産の価値はどう評価するのか、使える特例はあるのか…など、判断材料が複雑に絡み合うため、ご自身だけで結論を出すのはとても危険です。判断を誤ると、後から追徴課税などのペナルティを受けてしまう可能性もあります。

この記事では、相続を専門とする司法書士の視点から、

  • 相続税申告が必要になるかの基本的な判断基準
  • その判断過程で司法書士が果たす重要な役割
  • なぜ「相続に強い税理士」との連携が不可欠なのか

といった点を、分かりやすく解説していきます。この記事を最後までお読みいただければ、相続税に関する漠然とした不安が解消され、「まず何をすべきか」が明確になるはずです。どうぞご安心ください。

相続税の判断基準を説明するイメージ。遺産分割協議書と印鑑が写っている。

相続税申告が必要になるかの判断基準【基本を解説】

相続税申告が必要かどうかを判断するための、最初のステップとなる基本的な知識についてご説明します。複雑な税金のルールも、ポイントさえ押さえれば、ご自身の状況を大まかに把握することができます。

遺産総額が「基礎控除額」を超えるかどうかが第一の分岐点

相続税がかかるかどうかを判断する最も重要な基準が「基礎控除額」です。遺産の総額がこの基礎控除額よりも少なければ、原則として相続税はかからず、申告も不要です。

3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

例えば、法定相続人が「配偶者と子ども2人」の合計3人だった場合、基礎控除額は以下のようになります。

3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円

このケースでは、亡くなった方の遺産総額(預貯金、不動産、有価証券などを合計した金額から、借金などの債務を差し引いたもの)が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。まずはご自身のケースで、法定相続人が何人になるかを確認し、基礎控除額を計算してみることが第一歩です。

【注意】特例利用で税額0円でも「申告義務」は残るケース

多くの方が誤解しやすい、非常に重要なポイントがあります。それは、特例を適用した結果、納める相続税が0円になったとしても、その特例の適用を受けるために「相続税申告そのものは必要」なケースがあるということです。

代表的な特例として、以下の2つが挙げられます。

  • 小規模宅地等の特例:亡くなった方が住んでいた土地などを相続する場合、一定の要件を満たせば土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
  • 配偶者の税額軽減:配偶者が相続する遺産額が法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までであれば、相続税がかからない制度です。

これらの特例は非常に強力で、適用できれば納税額を大幅に減らしたり、0円にしたりすることが可能です。しかし、小規模宅地等の特例等は相続税の申告書への記載および必要書類の添付(例:計算の明細書、遺産分割協議書の写し等)が必要です(国税庁参照)。

つまり、「特例を使えばうちは税金が0円になるから、何もしなくていい」と自己判断してしまうと、特例自体が使えなくなり、本来払わなくてよかったはずの多額の税金が発生してしまうリスクがあるのです。これは絶対に避けなければなりません。

参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

司法書士が不動産の権利証を指さしながら、相続税申告の要否について相談者に説明している様子。

司法書士の役割は「相続税申告の要否」を見極める最初の水先案内人

「相続税のことは税理士に相談するもの」と思われているかもしれませんが、実は、相続手続きの専門家である司法書士が、その入口で非常に重要な役割を果たします。

もちろん、司法書士は税理士ではないため、具体的な税額計算や税務申告書の作成はできません。しかし、相続手続きを進める中で遺産全体を把握し、「このケースは相続税申告が必要そうだ」「特例の適用に注意が必要だ」といった初期判断を行い、適切な専門家へ繋ぐ「水先案内人」としての役割を担うことができるのです。

相続登記に必須の「財産調査」で課税ラインをチェック

ご自宅などの不動産を相続した場合、法務局で名義変更の手続き(相続登記)が必要になります。この相続登記をご依頼いただいた場合、司法書士はまず、戸籍を収集して相続人を確定させると同時に、亡くなった方の財産を調査します。

  • 不動産の固定資産税評価証明書を取得し、価値を把握する
  • 預貯金の残高証明書を各金融機関から取り寄せる
  • 有価証券や生命保険など、その他の財産についてもお話を伺う

これらの財産調査を通じて作成する「財産目録」は、遺産分割協議の土台となるだけでなく、集計した財産の概算額が基礎控除額を超えるかどうかのチェックにも直結します。つまり、相続登記という手続きを進める過程で、自然と相続税申告の必要性が見えてくるのです。最初に司法書士へご相談いただくことで、税務判断の第一歩をスムーズに踏み出すことができます。

不動産の評価が鍵!司法書士が見るべきポイント

相続財産に不動産が含まれる場合、その評価が相続税額を大きく左右します。特に、単純な土地や建物だけでなく、以下のような複雑なケースでは注意が必要です。

  • 他人の土地に建てた家の権利(借地権)
  • 複数人で所有している不動産(共有不動産)
  • 形が歪な土地(不整形地)
  • 私道に面している土地

こうした不動産は、固定資産税評価額だけでは正確な価値を判断できず、専門的な評価が必要になることがあります。司法書士は不動産登記の専門家として、こうした複雑な権利関係を正確に把握し、整理することができます。そして、その情報を正確に税理士へ引き継ぐことで、適切な財産評価と税額計算の橋渡し役を担うのです。

当事務所の初回相談でのヒアリングと税理士連携の実例

当事務所では、相続登記のご相談でいらっしゃった方に対しても、必ずご遺産の全体像について大まかにお話を伺うようにしています(もちろん、お話しにくい場合は無理にお聞きすることはありません)。これは、私たちの責務が単に登記手続きを代行するだけでなく、お客様が抱える相続全体の課題を解決することにあると考えているからです。

実際に、お話を伺う中で、「相続税はかからないと思っていたけれど、概算してみると基礎控除を超えそうだ」「特例が使えるから大丈夫だと思っていたが、申告自体は必要なケースだった」「見落としていた借地権の評価額を加えると、課税対象になる可能性が高い」といったことが判明するケースは決して少なくありません。

そのような場合、当事務所ではすぐに提携している相続専門の税理士にお繋ぎし、スムーズに次のステップに進めるようサポートしています。初期段階でリスクを検知し、適切な専門家へ橋渡しをすること。これも、私たち相続専門司法書士の重要な役割なのです。

相続税申告は税理士の独占業務!司法書士との連携が重要な理由

ここまで司法書士の役割についてお話ししてきましたが、最終的な相続税の計算と申告書の作成・提出は、法律で定められた税理士の独占業務です。司法書士がこれらの業務を行うことはできません(税理士法第2条、第52条)。

だからこそ、相続手続きをスムーズに進め、お客様に余計な手間や心配をおかけしないためには、司法書士と税理士の緊密な連携が不可欠となります。

「相続に強い税理士」でなければならない本当の理由

ここで非常に大切なのは、「どの税理士でも同じではない」ということです。お医者さんに外科、内科、眼科といった専門分野があるように、税理士にもそれぞれ得意分野があります。

多くの税理士は、企業の顧問として法人税務をメインに扱っています。もちろん相続税申告に対応できる先生もいますが、相続税は土地の評価や特例適用の判断など、非常に専門的で複雑な知識と経験が求められる分野です。年に数件しか扱わない税理士と、日常的に相続案件を扱っている税理士とでは、そのノウハウの蓄積に大きな差が生まれます。

経験豊富な「相続に強い税理士」に依頼することで、適用できる特例を見逃さず、不動産評価を適切に行い、結果として納税額を適正に抑えることができる可能性が高まります。これは、お客様の財産を守る上で極めて重要なポイントです。

当事務所が提携する「相続専門税理士」の強み

「相続に強い税理士を自分で探すのは大変…」と感じられるのも無理はありません。そこで、当事務所の強みが活きてきます。

いがり綜合事務所では、相続を専門的に扱う経験豊富な税理士と提携しており、税務面の連携が可能です。

ご自身で一から税理士を探す手間が省けるだけでなく、専門外の税理士に依頼してしまうリスクを回避し、「相続のプロ」による質の高いサービスを確実に受けていただける安心感をご提供できます。

司法書士経由で税理士に依頼する3つのメリット

当事務所のような窓口に相続手続きと税務申告をまとめてご相談いただくことには、お客様にとって大きなメリットがあります。

  1. 情報の抜け漏れがなく安心:司法書士が財産調査で収集した資料や情報を税理士と共有するため、お客様が何度も同じ説明をする手間が省けます。情報が一元管理されることで、財産の申告漏れなどのミスを防ぎます。
  2. 手続きがスピーディーに進む:司法書士が作成した正確な財産目録や相続関係説明図を税理士が活用できるため、税理士はゼロから情報を集める必要がなく、税務申告の準備にスムーズに着手できます。
  3. 質の高い専門家を探す手間とリスクを回避:前述の通り、「相続に強い」専門家を確実に見つけられます。お客様は専門家探しに時間を費やすことなく、安心して手続き全体をお任せいただけます。
相続税申告の期限が迫っていることを示すカレンダーのイメージ。

相続税で損しないために。まずはお早めにご相談を

相続税の申告と納税には、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」という期限が定められています。この期限はあっという間に過ぎてしまいます。

また、遺産をどのように分けるか(遺産分割協議)によって、適用できる特例や各相続人の納税額が変わってくるため、申告期限までに遺産分割協議を終えておくのが理想です。不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約など、相続手続きには時間がかかるものが多いため、判断に迷ったら一日でも早く専門家に相談することが重要です。

「うちは相続税がかかるのか?」「何から手をつければいいのかわからない」
そのような不安をお持ちでしたら、まずは私たち、いがり綜合事務所にご相談ください。

相続手続きの専門家として、そして相続税申告への適切な橋渡し役として、お客様一人ひとりの状況に寄り添い、円満な相続を実現するため全力でサポートいたします。初回のご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。
事務所名:司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所
代表司法書士:猪狩 佳亮
所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町12番14号 シャンボール川崎505号
所属:神奈川県司法書士会

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孤独死した叔父の相続|多数の相続人と連絡を取り預金解約した事例

2025-11-19

突然の孤独死…疎遠な叔父の相続、9名の相続人と連絡を取り預金解約を終えた事例

「役所から連絡があり、疎遠だった叔父が自宅で亡くなっているのが見つかった、と…」

ある日、一本のお電話からご相談は始まりました。お電話口の女性は、突然の訃報に動揺しながらも、ご自身がやらなければならないという責任感から、必死に状況を説明してくださいました。

警察の現場検証後、お部屋に入ると、汚れてしまった現金約40万円と、濡れて判読が難しい通帳が数冊見つかったそうです。通帳の最後の記載などから、預金は2,000万円ほどあるかもしれない、とのことでした。

叔父様には配偶者もお子様もいらっしゃらなかったため、相続人はご自身の親を含む兄弟姉妹、そしてすでに亡くなっている兄弟姉妹の子どもである甥や姪たち。ほとんどの方が北関東や四国、九州にお住まいで、長年顔も合わせていないとのことでした。

「これだけの人数に、私が一人で連絡を取って事情を説明し、手続きを進めるのは精神的にも物理的にも無理だと感じています。先生の方から、専門家として皆様に連絡を取ってもらえないでしょうか…」

その切実な思いを受け、当事務所でお手伝いさせていただくことになりました。

まず、私の方で戸籍謄本を全国の役所から取り寄せ、相続人様が9名であることを正式に確定させました。そして、お一人おひとりに、突然のご連絡で驚かれないよう配慮しながら、事情を説明するお手紙をお送りしました。

幸い、遺産額が明確で多額であったこともあり、相続人の皆様全員から「手続きに協力します」と前向きなお返事をいただくことができました。相談者様が最も心配されていた「連絡が取れない」「協力してもらえない」という壁を、まず乗り越えることができたのです。

見つかった現金については銀行に持ち込みましたが、数枚は汚れがひどく、日本銀行での鑑定が必要となりました。これも当事務所が代理人として銀行に依頼し、無事に交換手続きを終えました。通帳も損傷していましたが、相続手続きは通帳がなくても進められます。残高証明書と取引履歴を取得し、解約・払戻しの手続きを代行しました。

最終的に、遺産の分け方は相続人の皆様で均等に、という形で穏やかに話がまとまりました。当事務所で作成した遺産分割協議書にご署名と実印をいただき、無事に各相続人様の口座へのお振込みまで完了させることができました。

相続人同士が疎遠であればあるほど、かえって感情的なしがらみがなく、法律に則った分け方(法定相続分や均等割)でスムーズに合意できるケースは少なくありません。

「相続人が全国に散らばっていて、どうなることかと本当に不安でした。先生が間に入ってくれたおかげで、自分では到底できなかったことがスムーズに進み、本当に感謝しています」

最後にいただいた相談者様の安堵の表情が、何よりの励みとなった案件です。

孤独死の相続でまず直面する「3つの困難」とは?

突然の孤独死の知らせは、ご遺族にとって精神的なショックが大きいだけでなく、その後の相続手続きにおいても特有の難しさが伴います。一般的な相続と比べて、なぜこれほどまでに大変なのでしょうか。多くの方が直面する「3つの困難」について解説します。もしかしたら、あなた様が今抱えている不安も、この中のどれかに当てはまるかもしれません。

孤独死の現場を思わせる、遺品が残されたままの部屋。相続手続きの困難さを象徴している。

困難1:相続人が誰で、どこにいるか分からない

孤独死の場合、故人との関係が疎遠であることが多く、「相続人が誰なのか」「全部で何人いるのか」「どこに住んでいるのか」すら正確に把握できていないケースがほとんどです。

特に、亡くなった方に配偶者や子どもがいない場合、相続人は親、あるいは兄弟姉妹や甥・姪になります。兄弟姉妹や甥・姪が相続人となるケースでは、関係性が希薄になっていることが多く、連絡先を知らないどころか、お名前すら分からないということも珍しくありません。

法的に相続手続きを進めるには、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本をすべて集め、法的な相続人全員を確定させる必要があります。この戸籍収集は、本籍地が各地に点在していることも多く、非常に手間と時間がかかる作業です。この最初のステップでつまずいてしまう方が非常に多いのが実情です。

困難2:財産も借金も、何がどれだけあるか不明

故人と生前の交流が少なかったため、どのような財産を持っていたのか、あるいは借金を抱えていたのか、全く見当がつかないというのも大きな困難です。

預貯金、不動産、株式といったプラスの財産だけでなく、カードローンや消費者金融からの借入、未払いの税金や家賃といったマイナスの財産が存在する可能性も十分にあります。これらの情報は、遺品整理を進める中で見つかる通帳や郵便物、督促状などから一つひとつ探していくしかありません。

もしプラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合は、家庭裁判所で「相続放棄について」の手続きを検討する必要があります。この手続きは原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内」という期限があるため、迅速な財産調査が極めて重要になります。

困難3:面識のない相続人への連絡と協力依頼

戸籍調査によって相続人全員が判明したとしても、次なる大きな壁が待っています。それは、「会ったこともない、あるいは何十年も連絡を取っていない親族」に、突然連絡をして相続の話を切り出さなければならないという、精神的なハードルです。

「いきなり電話して、お金の話なんてできるだろうか…」
「怪しまれて、話も聞いてもらえないかもしれない…」
「協力してほしいと頼んだら、かえって関係がこじれないだろうか…」

このような不安を感じるのは、当然のことです。実際に、相続人の中には協力を拒否する方や、非現実的な要求をされる方がいらっしゃる可能性もゼロではありません。当事者同士で直接やり取りをすることで、かえって感情的な対立を生んでしまうリスクもあります。

このような場合、司法書士という国家資格を持つ第三者が、中立的な立場から丁寧な手紙で事情をご説明することで、相手方も冷静に話を聞き入れやすくなります。専門家が介在することが、円満な話し合いへの第一歩となるのです。

司法書士が一つずつ解決へ導きます|孤独死相続の具体的な手続きの流れ

複雑に絡み合った孤独死の相続問題も、一つひとつ手順を踏んで解きほぐしていくことで、解決の道筋が見えることがあります。ここでは、当事務所にご依頼いただいた場合に、どのような流れで手続きを進めていくのかを具体的にご紹介します。

司法書士が戸籍謄本を整理し、複雑な相続関係説明図を作成している様子。専門家による正確な調査を表している。

STEP1:戸籍収集による相続人の確定調査

まず、ご依頼者様から委任状をいただき、当事務所が代理人として、亡くなられた方の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)を全国の市区町村役場から取り寄せます。これにより、法的に相続権を持つ方を一人も漏れなく確定させます。

収集した戸籍情報をもとに、誰が相続人であるかを一覧にした「相続関係説明図」を作成します。この書類によって、相続関係が誰の目にも明らかになり、後の金融機関や法務局での手続きがスムーズに進みます。

ご自身でやろうとすると非常に煩雑なこの作業も、専門家にお任せいただくことで、正確かつスピーディーに完了させることができます。

STEP2:財産・負債の調査と相続放棄の検討

相続人調査と並行して、故人の財産調査を進めます。遺品の中から見つかった通帳やキャッシュカードを手がかりに、各金融機関へ残高証明書の発行を請求します。不動産については、役所で名寄帳や評価証明書を取得して所有状況を確認します。

同時に、信用情報機関への情報開示請求などを通じて、借入金などのマイナスの財産がないかも徹底的に調査します。すべての財産状況が明らかになった段階で、財産目録を作成し、相続人の皆様にご報告します。その内容に基づき、相続手続きを進めるか、あるいは相続放棄を選択するかを、3ヶ月の期限を意識しながら慎重に検討していきます。

STEP3:全相続人への連絡と遺産分割協議の調整

相続人と財産が確定したら、いよいよ相続人の皆様へご連絡します。当事務所がご依頼者様の代理人として、お一人おひとりに宛ててお手紙を作成し、郵送します。お手紙には、以下の内容を分かりやすく記載します。

  • 亡くなられた方のこと、ご自身が相続人であること
  • 判明した相続財産の内容
  • 今後の手続きの流れについてのご説明
  • 遺産の分け方についてのご意向の確認

突然のことで驚かれないよう、また、怪しい手紙だと思われないよう、司法書士の職印を押印した正式な書面としてお送りします。その後、お電話や郵送でのやり取りを通じて、全員が納得できる遺産の分け方について合意形成を目指します。当事務所が間に入ることで、当事者の負担軽減に寄与することがあります。

STEP4:遺産分割協議書の作成と各種名義変更・解約手続き

相続人全員の合意が得られたら、その内容を法的に有効な書面にするため、当事務所が「遺産分割協議書」を作成します。この協議書に、相続人全員が署名し、実印を押印していただくことで、遺産分割協議が正式に成立します。

その後は、完成した遺産分割協議書とその他の必要書類(戸籍謄本、印鑑証明書など)を用いて、金融機関での預貯金の解約・払戻し手続きや、不動産の名義変更(相続登記)を、すべて当事務所が代行します。事例のように汚損した現金や通帳の対応なども、専門家として適切に対処いたします。最終的に、各相続人様の指定口座へのお振込みまで、手続きの完了まで代理で対応いたします。

孤独死の相続でよくあるご質問(Q&A)

孤独死の相続に関して、ご相談者様からよく寄せられるご質問にお答えします。

司法書士事務所で、相談者が専門家と向き合い、相続の悩みを真剣に相談している場面。

Q. 遺品整理や特殊清掃もお願いできますか?

A. はい、対応可能です。
当事務所は司法書士事務所ですので、遺品整理や特殊清掃を直接行うことはできません。しかし、私たちが信頼できる専門業者と連携しておりますので、ワンストップで手配することが可能です。特に、相続人様が遠方にお住まいで現場の立ち会いが難しい場合でも、当事務所が窓口となって業者とやり取りを進めますので、安心してお任せいただけます。

また、これらの費用については、相続財産(故人の預貯金など)の中から清算することも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

Q. 相続人である親が高齢(または認知症)なのですが…

A. そのようなケースにも対応しておりますので、ご安心ください。
例えば、「孤独死した兄の相続人は、高齢で施設に入所している母」といったご相談は少なくありません。お母様がご自身で判断したり、書類に署名したりすることが難しい場合、法的な手続きを進めることができません。

このような場合、お母様のために「成年後見人」を選任する手続きを家庭裁判所で行う必要があります。当事務所では、成年後見をご検討中の方へのサポートも行っておりますので、相続手続きと並行して進めることが可能です。ご家族の状況に合わせて最適な方法をご提案いたします。

Q. 司法書士に依頼する費用はどのくらいかかりますか?

A. 当事務所では、分かりやすい料金体系をご用意しております。
相続手続きの代行については、相続財産の額にかかわらない定額の報酬プランをご用意しております。多くのケースでは、手続き完了後に故人の遺産の中から費用を清算いただくことが可能ですので、ご依頼時にまとまったお金をご用意いただく必要はございません。

初回のご相談は無料です。まずはお話をお伺いし、どのような手続きが必要で、費用が総額でいくらになるのかを明確にお見積りとしてご提示いたします。ご納得いただいた上でご依頼いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

一人で抱え込まず、まずはご相談ください

親身に相談に乗る、いがり綜合事務所の女性司法書士。一人で抱え込まず相談してほしいというメッセージを伝えている。

突然の孤独死の知らせを受け、相続人調査、財産調査、面識のない親族への連絡…と、次から次へと押し寄せる問題に、今、あなたは途方に暮れ、大きな不安の中にいらっしゃるかもしれません。

「何から手をつければいいのか分からない」
「自分一人で、本当に最後までやり遂げられるだろうか」

そのように感じるのは、決してあなただけではありません。今回ご紹介した事例のように、どんなに複雑に見える状況でも、専門家が介入し、一つひとつ問題を解きほぐしていくことで、解決に向けた道筋を提案します。

私たちの役目は、ただ手続きを代行するだけではありません。あなたの不安な心に寄り添い、「安心」をお届けし、円満な相続が実現するまで、最後まで伴走することです。

どうか、一人ですべてを抱え込まないでください。当事務所では、初回のご相談は無料で承っております。平日夜間や土日祝日のご相談にも対応しておりますので、まずはお気持ちが少し落ち着いたときに、あなたのお話をお聞かせください。ご連絡を心よりお待ちしております。

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生前対策は何から始める?専門家が教える全体像と手順

2025-11-18

生前対策とは? なぜ今から始めるべきなのか

「自分にはまだ早い」「財産なんて大してないから関係ない」

ご自身の相続について考え始めたとき、多くの方がそう思われるかもしれません。しかし、生前対策は、決して特別な人だけのものではありません。むしろ、残される大切なご家族への「最後の贈り物」であり、愛情表現の一つだと私たちは考えています。

生前対策の最も重要な点は、ご自身の意思がはっきりしていて、元気なうちにしかできないということです。判断能力が低下すると新たに遺言書を書いたり贈与契約を締結したりすることは困難になります。したがって元気なうちに準備することが重要です。なお、既に有効に作成された遺言書は効力を持ち続けますし、判断能力低下後に備える制度(任意後見・家族信託等)もありますので、併せて検討してください。

対策を先延ばしにした結果、「もっと早く相談しておけば…」とご家族が大変な思いをされるケースを、私たちは専門家として数多く見てきました。この記事では、生前対策の全体像と、何から始めればよいのかを、分かりやすく丁寧にご説明します。まずは、なぜ今から始めるべきなのか、その理由から見ていきましょう。

残された家族を「争族」から守るために

生前対策の最大の目的は、ご家族間の無用な争い、いわゆる「争族」を防ぐことです。

「うちの家族は仲が良いから大丈夫」と思っていても、相続をきっかけに関係がこじれてしまうことは少なくありません。遺産分割で揉める原因は、財産の多い少ないではないのです。例えば、親の介護を一身に引き受けてきたお子様と、そうでないお子様との間で「貢献度」をめぐる意見が対立したり、分けにくい不動産が一つだけ残されてしまい、誰も住まないのに売却にも同意が得られず、固定資産税だけがかかり続ける…といったケースは、実によくある話です。

遺言書があることで多くのトラブルを防げますが、法的に保障された「遺留分」があるため、遺言の内容によっては遺留分侵害額請求が発生し得ます。遺留分の制度や注意点についても併せて確認してください。ご自身の想いを明確な形で残しておくことが、ご家族がこれからも仲良く暮らしていくための、何よりのお守りになるのです。

認知症など判断能力の低下に備えるために

高齢化が進む現代において、認知症は誰にとっても他人事ではありません。もし認知症などで判断能力が低下すると、ご本人の財産は事実上「凍結」されてしまいます。

  • 預貯金の引き出しや解約ができない
  • ご自宅の売却やリフォームができない
  • 介護施設の入居金が支払えない

このような事態に陥ると、ご本人だけでなく、ご家族の生活にも大きな支障が出てしまいます。そして、この「資産凍結」の問題は、残念ながら遺言書だけでは解決できません。判断能力が低下した後の財産管理や生活を守るためには、「任意後見」や「家族信託」といった、また別の対策が必要になります。元気なうちにご家族と話し合い、備えておくことが非常に重要です。

将来の相続税負担を軽減するために

生前対策には、将来の相続税の負担を軽くするという側面もあります。相続税には基礎控除額があり、すべての人にかかるわけではありませんが、ご自宅が都市部にあったり、ある程度の預貯金があったりする場合には、納税が必要になる可能性があります。

計画的に財産を贈与する「生前贈与」や、生命保険の非課税枠を活用するといった方法で、納税額を抑えたり、納税資金を準備したりすることが可能です。

ただし、私たちは常に「節税は、ご家族の円満という土台があってこそ意味がある」と考えています。税金の額だけにとらわれて、かえってご家族の関係を悪化させてしまっては本末転倒です。まずはご家族の幸せを第一に考え、その上で最適な方法を探っていくことが大切です。

三世代の日本の家族がリビングで仲良く微笑んでいる様子。生前対策が家族の幸せを守ることを象徴する画像。

生前対策の始め方|専門家が教える3つのステップ

「生前対策の重要性は分かったけれど、具体的に何から手をつければいいの?」
ここからは、そんな疑問にお答えするために、誰でも迷わず進められる具体的な3つのステップをご紹介します。ぜひ、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。

ステップ1:財産と相続人の現状を把握する

すべての対策は、まず「現在地」を知ることから始まります。ご自身がどのような財産を持ち、誰がそれを受け継ぐことになるのかを正確に把握しましょう。

【財産の洗い出し】
預貯金、不動産(土地・建物)、有価証券(株・投資信託など)、生命保険といったプラスの財産はもちろん、住宅ローンや借入金などのマイナスの財産もすべてリストアップします。これが「財産目録」の基礎となります。何がどこにあるかをご家族がわかるようにまとめておくだけでも、残された方の負担は大きく軽減されます。より詳しい方法は財産目録の作成のページもご覧ください。

財産の種類具体的な内容おおよその価額
プラスの財産〇〇銀行の預金、自宅の土地・建物、△△社の株式約〇〇〇〇万円
マイナスの財産自宅の住宅ローン残債約△△△万円
簡易的な財産目録の例

【相続人の確認】
法律で定められた相続人(法定相続人)が誰になるのかを、戸籍謄本を取り寄せて正確に確認します。ご自身の思い込みとは違う方が相続人になるケース(例えば、前妻との間にお子様がいた場合など)もありますので、専門家と一緒に確認することをお勧めします。

ステップ2:目的を明確にする(誰に・何を・どうしたいか)

現状が把握できたら、次はいよいよ「ご自身の想い」を整理するステップです。何のために生前対策をするのか、その目的をはっきりさせましょう。

ご自身の心に、次のように問いかけてみてください。

  • 一番感謝の気持ちを伝えたいのは誰ですか?
  • ご自身の亡き後、ご家族にどんな暮らしを送ってほしいですか?
  • ご家族のことで、何か心配なことはありますか?
  • ご自身の将来(介護や施設入所など)について、どんな希望がありますか?

これらの問いへの答えが、あなただけの生前対策の「軸」となります。

専門家コラム:生前対策は「想い」を形にするプロセスです

定年退職や、お子様の結婚、お孫様の誕生といった人生の節目に、「そろそろ考えないと…」と生前対策に関心を持たれる方は非常に多いです。そして、ほとんどの方が「何から手をつけていいか分からない」という同じスタートラインに立たれています。

そんな時、私たちはまず「何のために対策をしたいですか?」とお伺いします。それは、ご自身の希望によって、選ぶべき道筋が全く変わってくるからです。

  • 「家族が揉めないように、遺産の分け方を決めておきたい」
    →これが一番の目的なら、まずは「遺言書」の作成が基本になります。
  • 「もし自分が認知症になったら…と不安。施設に入る時、家を売って費用にあてたい」
    →将来の資産凍結に備えるなら、「家族信託」や「任意後見」が有効です。
  • 「相続税がかかりそうだから、少しでも負担を減らしてあげたい」
    →節税が目的なら、「生前贈与」や「資産の組み換え」を検討します。

財産の多い少ないにかかわらず、ご家族が揉めてしまうことはあります。だからこそ、私たちはいつも「一番大切なのは、税金のことよりも、ご家族がこれからも仲良く暮らしていくことではないでしょうか?」とお伝えしています。あなたの「想い」をしっかりとお伺いし、それを実現するための最適なプランを一緒に考えること。それが、私たち専門家の役割です。

ステップ3:目的に合った対策方法を選択する

目的がはっきりすれば、ゴールまでの道筋が見えてきます。ステップ2で明確になった目的に合わせて、具体的な対策方法を選んでいきましょう。

  • 家族間のトラブルを防ぎたいなら → 遺言書
  • 将来の認知症や資産凍結に備えたいなら → 家族信託、任意後見
  • 相続税の負担を減らしたいなら → 生前贈与、資産の組み換え
  • 特定の誰かに確実に財産を渡したいなら → 生前贈与、遺言書

もちろん、これらの目的は一つだけとは限りません。「遺言書で分け方を決めつつ、家族信託で認知症にも備える」というように、複数の対策を組み合わせることで、より盤石な準備が可能になります。次の章で、それぞれの対策の詳しい特徴を見ていきましょう。

机の上で財産目録を作成している様子。預金通帳や権利証などの書類を整理しており、生前対策の第一歩をイメージさせる。

【目的別】生前対策の主な種類と特徴を比較

ここからは、代表的な生前対策について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを目的別にご紹介します。ご自身の目的に合った方法がどれか、比較しながら確認してみてください。

※各制度のより詳しい内容については、それぞれの解説ページへのリンクをご参照ください。

対策方法主な目的メリットデメリット・注意点
遺言書争族対策・法定相続より優先される
・相続手続きがスムーズになる
・書き方を間違えると無効になる恐れ・認知症対策にはならない
生前贈与相続税対策・計画的に行えば節税効果が高い
・渡したい相手に確実に渡せる
・贈与税がかかる場合がある
・やり直しがきかない
家族信託認知症対策・判断能力低下後も柔軟な財産管理が可能
・家族信託は、受益者の変更や二次承継の定めを設けることで次の承継先を想定できますが、税務・登記・契約設計の注意点が多いため、具体的な設計は専門家と詳細に検討してください。
・身上監護はできない
・専門的な知識が必要
任意後見認知症対策・財産管理と身上監護の両方を頼める
・任意後見では、判断能力低下後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任して監督が行われる。
・判断能力低下後にしか効力が発生しない
・積極的な資産活用は難しい
主な生前対策の目的別比較表

①遺産分割トラブルを防ぐ基本の対策【遺言書】

遺言書は、ご自身の財産を「誰に」「何を」「どれくらい」遺すかを決めることができる、最も基本的で強力な生前対策です。遺言書があれば、法律で定められた相続分(法定相続)よりもご自身の意思が優先されるため、相続人間の争いを未然に防ぐ効果が非常に高いです。

遺言書には自分で書く「自筆証書遺言」と、公証役場で作成する「公正証書遺言」があります。法的な不備で無効になるリスクを避けるため、公正証書遺言は有効な選択肢の一つです。必要に応じて専門家と相談のうえ、公正証書遺言のメリット・デメリットを検討してください。遺言書の作成支援は、私たち司法書士の重要な業務の一つです。詳しくは「自筆証書遺言の注意点|無効になる書き方など専門家が解説」のページもご参照ください。

②相続税対策の代表的な方法【生前贈与】

生前贈与は、元気なうちにご自身の財産を家族などに分け与えておくことで、将来の相続財産を減らし、相続税の負担を軽減する目的で行われます。特に、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからない「暦年贈与」の仕組みを活用し、長い期間をかけて計画的に行うことで大きな節税効果が期待できます。

ただし、「言った・言わない」のトラブルを防ぐために贈与契約書を作成することや、相続開始前一定期間内の贈与は相続財産に持ち戻されるルールがあるなど、専門的な注意点も多く存在します。税金が関わる手続きですので、安易な自己判断は禁物です。当事務所では、相続案件の経験がある税理士と連携しており、必要に応じて税務相談を調整・紹介しています。生前の贈与で不動産の名義を変える場合は、相続登記と贈与登記の違いや、関連する税金・手続きを比較し、最適な選択をすることが重要です。

③認知症による資産凍結を防ぐ【家族信託・任意後見】

判断能力の低下による資産凍結への備えとして、近年注目されているのが「家族信託」と「任意後見」です。

  • 家族信託:信頼できるご家族に財産を託し、ご自身の決めた目的に従って管理・運用してもらう制度です。判断能力が低下した後も、不動産の売却やアパート経営などをスムーズに行える柔軟性が魅力です。詳しくは「家族信託とは」をご覧ください。
  • 任意後見:将来、判断能力が不十分になった場合に備え、あらかじめご自身で選んだ代理人(任意後見人)に、財産管理や身上監護(介護サービスの契約など)を任せる契約です。家庭裁判所が選任する監督人がつくため、公的な監督下で安心して財産を任せられます。

どちらも元気なうちにしか契約できず、ご自身の希望やご家族の状況によって最適な選択肢は異なります。司法書士は、これらの手続きの専門家として、制度設計から契約書の作成、登記手続きまで一貫してサポートします。

④納税資金の確保や資産整理に【資産の組み換え】

「資産の組み換え」とは、今ある財産の形を変えることで、相続に備える対策です。

例えば、相続人間で分けにくい不動産(実家など)を元気なうちに売却して現金化しておけば、遺産分割がスムーズになり、争いを防ぐことができます。逆に、金融資産が潤沢にあり相続税の課税が想定される場合、これを不動産に変えておくことで課税対象となる資産の圧縮ができることもあります。

また、現金を生命保険に変えておくことも有効です。死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠があるため、相続税の対象となる財産を減らしつつ、相続人が納税資金や当面の生活費としてすぐに使える現金を確保することができます。

司法書士は不動産売却の登記手続きに、社会保険労務士は公的保険や年金の知識に精通しています。当事務所では、複数の資格を活かした多角的な視点から、最適な資産の組み換えをご提案することが可能です。

司法書士が相談者の話を親身に聞いている相談風景。生前対策の専門家への相談をイメージさせる。

生前対策はいつから始めるべき?年代別のポイント

「いったい、何歳くらいから始めればいいのだろう?」という疑問を持つ方も多いでしょう。結論から言えば、生前対策を始めるのに「早すぎる」ということはありません。思い立ったが吉日であり、何よりもご自身の判断能力がはっきりしている元気なうちに取り組むことが大切です。

ここでは、年代ごとのライフイベントと、生前対策を考える上でのポイントをご紹介します。

50代:親の相続と自身の将来を考え始める時期

50代は、ご自身の親の相続を経験し、初めて相続を「自分ごと」として意識する方が多い年代です。まだ体力・気力ともに充実しているこの時期は、生前対策の準備を始めるのに絶好のタイミングと言えます。

まずは、ステップ1でご紹介した「財産の棚卸し」から始めてみましょう。また、ご自身の想いやご家族へのメッセージ、各種手続きに必要な情報を書き留めておく「エンディングノート」の作成から手をつけるのもお勧めです。長期的な視点で生命保険への加入を検討するなど、時間をかけた対策を始めやすい時期でもあります。

60代:定年退職を機に本格的に取り組む時期

60代になると、定年退職などを機にご自身の人生を振り返り、セカンドライフを考える時間的な余裕が生まれます。この時期は、生前対策に本格的に取り組むのに最適なタイミングです。

50代で整理した財産や想いをもとに、より具体的に「遺言書の作成」や「生前贈与の計画」などを進めていくと良いでしょう。長年連れ添った配偶者への感謝の気持ちや、お子様たちへの想いを法的な形で残すことは、ご自身の人生の集大成とも言える、非常に意義のある作業です。

70代以降:判断能力が確かなうちに急ぎたい時期

70代以降は、ご自身の健康状態にも変化が現れやすい年代です。もしもの時に備え、判断能力が確かであるうちに、必要な対策をできるだけ早く実行に移すことが重要になります。

特に、認知症による資産凍結に備える「家族信託」や「任意後見契約」の必要性は、この年代からぐっと高まります。また、以前に作成した遺言書がある場合でも、ご家族の状況や財産内容の変化に合わせて、内容を見直すことも検討しましょう。「まだ大丈夫」と思っているうちに、早めに専門家へ相談することをお勧めします。

50代、60代、70代の各年代の日本人が、それぞれのライフステージで将来について考えている様子をコラージュした画像。

生前対策の相談はどこにする?専門家の選び方

生前対策は多岐にわたるため、「誰に相談すればいいのか分からない」というのも当然の悩みです。ここでは、主な専門家の役割の違いをご説明します。

司法書士:遺言・後見・信託など手続きの専門家

私たち司法書士は、「手続き」と「権利関係」の専門家です。遺言書の作成支援、任意後見契約、家族信託契約の組成、そして相続発生後の不動産の名義変更(相続登記)まで、生前対策から相続完了までの一連の手続きを担う中心的な存在です。「争族対策」や「認知症対策」を軸に生前対策を考えたい場合、まず最初に相談するのに最も適した専門家と言えるでしょう。

税理士:相続税の計算・申告の専門家

税理士は、その名の通り「税金」の専門家です。相続財産が多く、相続税がどのくらいかかるか心配な方、具体的な節税対策を知りたいという方は、税理士への相談が不可欠です。当事務所では、相続案件の経験がある税理士と連携しており、必要に応じて税務相談を調整・紹介しています。

弁護士:相続トラブル・紛争解決の専門家

弁護士は、「紛争解決」の専門家です。すでにご家族の間で対立が起きてしまっている場合や、将来的に裁判などでの争いに発展する可能性が高い場合には、弁護士が頼りになります。生前対策は、そもそも紛争を「予防」するためのものですので、多くの場合は司法書士がご相談窓口となりますが、万が一の際には、当事務所から信頼できる弁護士をご紹介することも可能です。

まとめ|円満な相続は、元気なうちの準備から

今回は、生前対策の全体像と、何から始めるべきかについて解説しました。

生前対策は、決して難しいことばかりではありません。まずは、今回ご紹介した3つのステップに沿って、ご自身の財産と想いを整理することから始めてみてください。

  1. ステップ1:財産と相続人の現状を把握する
  2. ステップ2:目的を明確にする(誰に・何を・どうしたいか)
  3. ステップ3:目的に合った対策方法を選択する

そして何より大切なのは、お一人で悩まないことです。生前対策は、ご自身の人生の集大成であり、ご家族への最後の贈り物です。その大切な想いを、間違いのない最適な形で実現するためには、専門家のサポートが不可欠です。

私たち、いがり綜合事務所(所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町12番14号 シャンボール川崎505号、代表司法書士:猪狩佳亮、所属:神奈川県司法書士会)は、川崎市・横浜市を中心に、これまで数多くのご家族の生前対策をお手伝いしてまいりました。司法書士・行政書士・社会保険労務士としての多角的な視点と、豊富な経験を活かし、あなたとあなたのご家族にとって最善のプランをご提案します。

「何から話せばいいか分からない」という方も、どうぞご安心ください。私たちが一つひとつ丁寧にお話を伺い、あなたの不安な心に「安心」をお届けします。まずは、お気軽にご相談ください。

まずは初回無料相談(60分)をご利用ください

代償分割とは?不動産相続での公平な分け方と税金を解説

2025-11-17

【相談事例】遺産は実家だけ…住み続けたい兄と、お金が欲しい弟

「母が亡くなったのですが、遺産は今、兄が一人で住んでいる母名義の実家だけ。預貯金はほとんどありません。兄はこれからも住み続けたいと言っていますが、家を継がない私としては、何ももらえないのは不公平だと感じてしまって…。兄弟仲は良いので、お金のことで揉めたくはないのですが、どうすれば円満に解決できるでしょうか?」

これは、当事務所に寄せられるご相談の中でも、特に多いケースの一つです。お母様が亡くなり、相続人は長男と二男のお二人。お母様は長年、長男様と同居されていました。二男様はすでに独立してご家庭を築いています。

お母様の遺産は、ご自宅の不動産がほとんど。長男様が今後もその家に住み続けることについては、兄弟間で特に異論はありませんでした。しかし、問題は「遺産の分け方」です。

このまま長男様が実家をすべて相続すると、二男様が受け取れる遺産はほとんどなくなってしまいます。二男様からすれば、「それはあまりにも不公平ではないか」と感じるのは当然のことです。かといって、大切な実家を売却して現金で分けるというのも、お母様やご先祖様に申し訳ない気持ちがする…。

このような、分けにくい不動産が遺産の中心である場合に、家族の想いを大切にしながら公平な分割を実現する解決策が「代償分割(だいしょうぶんかつ)」です。

この事例では、私たちは長男様から二男様へ、不動産の価値に見合った「代償金」を支払う方法をご提案しました。代償金の額は決して少なくありませんでしたが、分割で支払うことも可能であることをお伝えし、具体的な支払い計画を立てることで、最終的にはお二人ともご納得の上で円満に遺産分割協議を終えることができました。

この記事では、あなたと同じようなお悩みを抱える方のために、有力な選択肢の一つとしての「代償分割」について、その仕組みから税金の問題、資金が用意できない場合の対処法まで、専門家が分かりやすく解説します。

代償分割とは?不動産を公平に分けるための解決策

代償分割とは、特定の相続人が不動産や自社株といった分けにくい遺産を現物のまま相続する代わりに、その遺産をもらった人が、もらえなかった他の相続人に対して、自分の財産からお金(代償金)などを支払うことで、相続人間の公平を保つ遺産分割の方法です。

先ほどの事例でいえば、長男が実家(不動産)をすべて相続する代わりに、二男に対して不足分を補うためのお金(代償金)を支払う、という形になります。これにより、長男は家に住み続けることができ、二男もお金を受け取ることで、結果的に法定相続分に見合った公平な遺産分割が実現できるのです。

他の分け方(現物分割・換価分割)との違いは?

遺産の分け方には、代償分割の他に「現物分割」と「換価分割」があります。それぞれの特徴と、代償分割との違いを理解しておきましょう。

遺産分割の3つの方法

分割方法内容向いているケース
現物分割(げんぶつぶんかつ)遺産そのものを物理的に分ける方法。「土地Aは長男に、預貯金は二男に」というように、財産ごとに相続人を決めます。遺産に不動産、預貯金、有価証券など種類が豊富にあり、各相続人の相続分に応じて組み合わせられる場合。
代償分割(だいしょうぶんかつ)特定の相続人が不動産などを相続する代わりに、他の相続人へお金(代償金)を支払う方法。遺産の大部分が不動産で、相続人の一人がその不動産に住み続けたい・事業で使い続けたい場合。
換価分割(かんかぶんかつ)不動産などの遺産を売却して現金に換え、その現金を相続人間で分ける方法。詳しくは「換価分割の手続きと流れ|税金・社会保険料への影響も解説」でも解説しています。誰もその不動産に住む予定がなく、相続人全員が現金での分配を希望している場合。
遺産分割方法の比較

一番の違いは、代償分割が「不動産を残す」ことを目的とするのに対し、換価分割は「不動産を売却する」ことを前提とする点です。思い出の詰まった実家を残したい、事業で使っている土地を手放したくない、という場合には、代償分割が最適な選択肢となります。

どんなときに代償分割が選ばれるのか?

代償分割は、特に以下のようなケースで有効な解決策となります。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

  • 相続人の一人が実家(被相続人の家)に住み続けたい場合
    まさに冒頭の事例のような、最も典型的なケースです。同居していた相続人が、そのまま生活の拠点を維持したいと希望する場合に選ばれます。
  • 事業用の土地や建物を後継者が引き継ぐ場合
    家業を継ぐ相続人が、事業に必要な工場や店舗、農地などを一括して相続したい場合に活用されます。事業の継続性を保ちながら、他の相続人との公平性も確保できます。
  • 遺産が分けにくい不動産や自社株しかない場合
    遺産に現金や預貯金がほとんどなく、物理的に分割することが難しい財産しかない場合に、代償分割は唯一の解決策となることがあります。

代償分割のメリット・デメリットを専門家が解説

代償分割は多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットも存在します。両方を正しく理解し、ご自身の状況に合った方法か冷静に判断することが大切です。

メリット:大切な不動産を残し、円満な解決を目指せる

  • 不動産を売却せずに済む
    最大のメリットは、故人との思い出が詰まった家や、先祖代々の土地、事業の基盤となる不動産などを手放さずに済む点です。
  • 公平な遺産分割が実現できる
    代償金を支払うことで、不動産を取得しない相続人との不公平感をなくし、法定相続分に基づいた実質的に平等な分割が可能になります。
  • 共有名義のリスクを避けられる
    不動産を複数の相続人の共有名義にすると、将来の売却や建て替えの際に全員の同意が必要になるなど、権利関係が複雑になりがちです。代償分割で単独名義にすることで、将来のトラブルの芽を摘むことができます。
  • 相続税の特例が使える可能性がある
    一定の要件を満たせば、自宅の土地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」を適用できる可能性があります。

デメリット:お金と評価額の問題が大きな壁に

  • 不動産を取得する人に代償金を支払う資力が必要
    最も大きなハードルです。不動産の価値が高額であるほど、支払う代償金も高額になります。現金や預貯金がなければ、代償金の準備が困難になる場合があります。
  • 不動産の評価額で揉めやすい
    代償金の額を決める基準となる不動産の評価方法には、相続税路線価、固定資産税評価額、時価(実勢価格)など複数の基準があります。どの基準を使うかで評価額が大きく変わるため、相続人間で意見が対立し、トラブルの原因になりやすい点です。
  • 代償金の支払いが滞るリスクがある
    分割払いにした場合、支払いが途中で滞ってしまうリスクがあります。合意内容を遺産分割協議書にきちんと記載し、場合によっては公正証書を作成するなどの対策が必要です。

【重要】代償分割と税金の問題|贈与税はかかる?

「代償金を支払うと、贈与税がかかるのでは?」と心配される方が非常に多くいらっしゃいます。ここでは、代償分割にまつわる税金の重要なポイントを解説します。

代償金は贈与税の対象外。ただし遺産分割協議書が必須

結論から言うと、遺産分割協議に基づいて支払われる代償金は、原則として贈与税の対象にはなりません。

なぜなら、代償金の支払いは、あくまで遺産分割を公平に行うための一環であり、無償で財産を与える「贈与」とは根本的に性質が異なるからです。

ただし、税務署に贈与とみなされないためには、必ず「遺産分割協議書」を作成し、その中に以下の内容を明確に記載することが絶対条件です。

  • 誰がどの不動産を代償分割により取得したか
  • 不動産を取得した人が、他の相続人に対して代償金を支払う義務を負うこと
  • 代償金の具体的な金額、支払期日、支払方法

もし、口約束だけでお金のやり取りをしてしまったり、遺産分割協議書の記載が不十分だったりすると、後から税務署に「これは個人的な贈与ですね」と指摘され、高額な贈与税が課されてしまうリスクがあります。専門家として、この点は特に強く注意を促したいポイントです。

相続税はどう計算する?代償金の支払いで税額は変わる

代償分割を行った場合、相続税の計算は以下のようになります。

  • 代償金を支払った人(不動産を取得した人)
    相続した財産の価額 支払った代償金の額 = 課税価格
  • 代償金を受け取った人
    相続した財産の価額 受け取った代償金の額 = 課税価格

つまり、支払った人はその分だけ課税対象額が減り、受け取った人はその分だけ増える、という非常にシンプルな仕組みです。これにより、相続人間の税負担も公平になります。

売却するなら換価分割より税金が安くなることも

「最終的には家を売るかもしれない」と考えている場合でも、代償分割が有利になるケースがあります。

例えば、実家を相続人2人の共有名義にしてから売却する「換価分割」の場合、売却益(譲渡所得)に対して、2人それぞれに譲渡所得税がかかります。

一方、「代償分割」で長男が一人で実家を相続し、その後、長男が実家を売却したとします。この場合、長男が一定の要件を満たせば、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除などの特例を使える可能性があります。この特例が使えれば、譲渡所得税を大幅に抑えることができるのです。

将来的な売却の可能性も視野に入れるなら、どちらの方法が税金面で有利になるか、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

参考:No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

代償金が払えない…現金がない場合の4つの解決策

「代償分割がベストなのは分かるけど、支払うためのお金がない…」これは、多くの方が直面する最も切実な問題です。しかし、すぐに諦める必要はありません。いくつか解決策があります。

代償金の支払いに悩み、書類と電卓を前に頭を抱える中年の日本人

解決策①:他の相続人と交渉し「分割払い」にしてもらう

最も現実的で、よく利用される方法です。冒頭の事例のように、他の相続人の理解を得て、数年間にわたる分割払いにしてもらう交渉をします。
この場合、後々のトラブルを防ぐため、遺産分割協議書に以下の項目を詳細に定めておくことが極めて重要です。

  • 分割払いの総額
  • 毎月の支払額
  • 支払期間(いつからいつまで)
  • 支払いが遅れた場合のペナルティ(遅延損害金など)

さらに、作成した遺産分割協議書を「公正証書」にしておけば、万が一支払いが滞った場合に、裁判を起こさなくても相手の財産を差し押さえる(強制執行)ことが可能になり、お金を受け取る側も安心できます。

解決策②:不動産を担保に金融機関から融資(ローン)を受ける

一括での支払いを求められている場合には、相続した不動産を担保にして、金融機関から融資(不動産担保ローンなど)を受ける方法があります。

メリットは、まとまった資金をすぐに用意でき、相続問題をスピーディーに解決できる点です。一方、デメリットとしては、金利の負担が発生することや、金融機関による審査が必要になる点が挙げられます。

解決策③:生命保険金や死亡退職金を代償金の原資にする

被相続人がかけていた生命保険金や、会社から支払われる死亡退職金は、原則として「受取人固有の財産」とされ、遺産分割の対象にはなりません。
もし、不動産を相続する人がこれらの受取人になっていれば、それを代償金の支払いに充てることができます。見落としがちな資金源ですが、有効な手段となり得ます。

解決策④:最終手段として「換価分割」も視野に入れる

あらゆる方法を検討しても、どうしても代償金の準備が難しい場合は、代償分割に固執せず、不動産を売却して現金で分ける「換価分割」に切り替えることも、円満解決のための一つの選択肢です。
大切なのは、相続人全員が納得できる着地点を見つけることです。一つの方法にこだわりすぎず、柔軟に考えることも時には必要です。

代償分割を円満に進めるための手続きと注意点

代償分割をスムーズに進め、トラブルを避けるためには、正しい手順を踏むことが大切です。ここでは、具体的な流れと各ステップでの注意点を解説します。

ステップ1:相続人全員で話し合い、合意形成を目指す

何よりもまず、相続人全員で集まり、遺産の分け方について話し合う「遺産分割協議」を行います。感情的にならず、お互いの希望や状況を尊重しながら、冷静に話し合うことが重要です。

この段階で、

  • 誰が不動産を取得するのか
  • 「代償分割」という方法で進めることについて全員が同意しているか

を明確に合意することが、すべてのスタートラインとなります。

ステップ2:代償金の基準となる不動産の評価額を決める

トラブルの最大の原因となりうるのが、不動産の評価額です。代償金の金額は、この評価額を基に算出されるため、全員が納得できる基準で決めなければなりません。

主な評価方法には以下のようなものがあります。

  • 相続税路線価:相続税や贈与税の計算に用いられる土地の価格。
  • 固定資産税評価額:固定資産税の計算に用いられる価格。
  • 公示価格:国が示す土地取引の目安となる価格。
  • 時価(実勢価格):実際に市場で売買されると見込まれる価格。

どの方法を選ぶべきか決まりはありませんが、相続人間の公平を期すためには、実際に売れる価格に近い「時価」を基準にすることが多いです。複数の不動産会社に査定を依頼し、その平均額を参考にしたり、より正確性を求めるなら不動産鑑定士に鑑定を依頼したりする方法が客観的でおすすめです。

ステップ3:合意内容を「遺産分割協議書」に正しく記載する

相続人全員の合意内容が固まったら、その内容を法的に有効な書面である「遺産分割協議書」にまとめます。この書類は、後の不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約手続きにも必要となる非常に重要なものです。

代償分割を行う場合、特に以下の項目を正確に記載する必要があります。

【遺産分割協議書への記載必須項目(代償分割の場合)】

  • 相続人の一人である「〇〇(氏名)」が、以下の不動産を相続する。
  • 不動産を相続する代償として、相続人「〇〇(氏名)」は、他の相続人「△△(氏名)」に対し、金〇〇円を支払う。
  • 支払期日は、令和〇年〇月〇日までとする。
  • 支払方法は、「△△」名義の下記預金口座に振り込む方法により支払う。

繰り返しになりますが、この記載に不備があると、贈与税の問題が発生したり、代償金の支払いをめぐるトラブルに発展したりする可能性があります。作成には細心の注意が必要です。

まとめ:代償分割は専門家に相談することで解決の助けとなることが多く、適切な助言が円滑な協議の助けになります。

遺産が不動産ばかりで分け方に困っている場合、代償分割は、ケースによっては家族の想いを守りつつ公平な解決に寄与する手段となり得ます。

しかし、その一方で、

  • 不動産の評価額をどう決めるか
  • 代償金の支払いをどうするか
  • 贈与税などの税務リスクをどう回避するか
  • 法的に不備のない遺産分割協議書を作成できるか

など、クリアすべき課題が多く、専門的な知識がなければ思わぬトラブルに発展しかねない、難しい手続きでもあります。

特に、相続人間の話し合いがこじれてしまうと、本来は円満に解決できたはずの問題が、取り返しのつかない「争続」になってしまうことも少なくありません。

私たち、いがり円満相続相談室は、司法書士・行政書士として、不動産相続や代償分割の相談に対応しています。法律や税金の話を分かりやすくご説明することはもちろん、何よりも皆様のお気持ちに寄り添い、全員がご納得いただける最善の解決策を一緒に見つけ出すことを大切にしています。

「うちのケースでも代償分割は使える?」「何から手をつければいいか分からない」
どんな些細なことでも構いません。一人で悩まず、まずは私たち専門家にご相談ください。あなたの不安な心に「安心」を届け、解決に向けて支援いたします。

司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所
(屋号:いがり円満相続相談室)

代表司法書士:猪狩 佳亮(神奈川県司法書士会所属)
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相続登記で発覚!昔の抵当権の消し方【書類がなくても解決】

2025-11-13

【ご安心ください】相続登記で昔の抵当権が見つかっても解決できます

「親が亡くなって、実家の相続登記を進めようと登記簿謄本を取得したら、何十年も前に完済したはずの住宅ローンの抵当権が残っていた…」

このような状況に、大変驚かれ、どうすればよいのかご不安に思われていることでしょう。「完済したのになぜ?」「当時の書類なんて、どこにも見当たらない…」「このままでは、不動産を相続できないのでは?」と、次々に心配事が浮かんでくるかもしれません。

でも、どうぞご安心ください。実は、このようなケースは決して珍しいことではないのです。

金融機関でローンを完済しても、登記簿上の抵当権は自動的に消えるわけではありません。ご自身で「抵当権抹消登記」という手続きを法務局で行わない限り、登記上は残り続けてしまいます。昔は手続きを忘れてしまう方も少なくなかったため、相続のタイミングで発覚することがよくあるのです。

当事務所では、書類が見つからない場合でも登記手続きや代替手段を尽力して検討し、抵当権抹消が可能な場合が多いですが、最終的な可否は個別の事情により異なります。まずはご相談ください。

この記事では、相続手続きの専門家である司法書士が、書類のない古い抵当権を抹消するための具体的な手順や解決策を、分かりやすく解説していきます。この記事を最後までお読みいただければ、ご不安が解消され、何をすべきかが明確になるはずです。

【実例】相続登記とセットで解決!書類がない抵当権抹消の相談事例

まずは、当事務所で実際に解決したご相談事例をご紹介します。きっと「うちと全く同じ状況だ」と感じていただけるはずです。

ご相談者様の状況:突然見つかった古い抵当権への戸惑い

「先日父が亡くなり、川崎市にある実家の相続登記を進めようとしていました。登記簿を確認したところ、平成10年代に完済したはずの住宅ローンの抵当権が登記されたままになっていることに気づきました。父はきっちりした性格だったので、まさか手続きが残っているとは思わず、本当に驚きました。」

「もちろん、完済当時に銀行から受け取ったはずの抵当権解除証書などの書類は、探しても見つかりません。相続登記と一緒に、この抵当権も消してしまいたいのですが、どうしたら良いでしょうか…」

当事務所からのご提案と解決までの道のり

ご不安な気持ちでご相談に来られたお客様に、私たちはまず「ご安心ください。書類がなくても、相続登記とセットでしっかり解決できます」とお伝えし、具体的な手続きの流れをご説明しました。

  1. まず相続登記を行います。不動産の名義が亡きお父様のままでは抵当権抹消手続きの当事者になれないため、先に相続人様へ名義変更します。
  2. 次に、銀行へ連絡します。相続登記が完了し、名義が新しくなった登記簿をもって、銀行に抵当権抹消に必要な書類の再発行を依頼します。
  3. 最後に、抵当権抹消登記を申請します。ただし、抵当権の「登記済証」だけは絶対に再発行できません。そのため、「事前通知」という特別な手続きを利用しますが、これも司法書士にお任せいただければ全く問題ありません。

結果:煩雑な手続きから解放され、無事に解決

最終的に、相続登記と抵当権抹消登記をセットでご依頼いただきました。さらに、お客様の手を煩わせないよう、銀行への書類再発行の連絡や手続きもすべて当事務所で代行いたしました。結果、お客様はほとんど何もすることなく、無事に実家の名義変更を終え、長年残っていた抵当権もきれいに抹消することができました。「肩の荷が下りました」と安堵された表情が、今でも心に残っています。

司法書士が相談者に対して、書類を見せながら安心させるように丁寧に説明している様子。

相続登記と抵当権抹消、手続きの正しい順番と流れ

さて、ここからは具体的な手続きの流れを詳しく見ていきましょう。相続登記と抵当権抹消登記は、正しい順番で進めることが非常に重要です。結論から言うと、原則として相続登記を先に行う必要がある場合が多い(ただし事案により手続きの順序や対応が異なることがある)ので、個別にご相談ください。必要があります。

ステップ1:相続登記で不動産の名義を相続人へ変更する

なぜ、先に相続登記が必要なのでしょうか。それは、抵当権抹消登記を申請できるのは、その不動産の「現在の所有者」と「抵当権者(金融機関など)」だからです。

亡くなった方(被相続人)は、すでにこの世におらず、法律上の「人」ではないため、登記申請の当事者になることができません。そのため、まずは相続登記を行い、不動産の名義を相続人の方へ変更することで、新しい所有者として抵当権抹消登記を申請できるようになるのです。

ちなみに、2024年4月1日から相続登記が義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に相続登記を申請することが法律上の義務となりました。抵当権の問題とは別に、相続登記は必ず行わなければならない手続きであることも覚えておきましょう。

ステップ2:金融機関へ連絡し、抹消書類の再発行を依頼する

無事に相続登記が完了し、不動産の名義がご自身に変わったら、次はいよいよ抵当権者である金融機関へ連絡します。連絡する際は、以下の点を伝えましょう。

  • 亡くなった親が組んでいた住宅ローンを完済していること
  • 相続により不動産の名義が自分に変わったこと
  • 抵当権抹消登記をしたいので、必要な書類を再発行してほしいこと

ここで重要なポイントがあります。金融機関から再発行してもらえる書類と、絶対に再発行できない書類があるのです。

【再発行できる書類の例】

  • 抵当権解除証書(または弁済証書)
  • 金融機関の委任状
  • 金融機関の資格証明書(代表者事項証明書など)

【絶対に再発行できない書類】

  • 登記済証(いわゆる「権利証」)または登記識別情報

この「登記済証」がないことが、今回の手続きの核心部分になります。これがなくても大丈夫ですので、安心してください。代替手段については、次のステップで詳しく解説します。

なお、ローンを組んだ金融機関が合併や統合で名前が変わっていたり、すでに存在しなかったりする場合もあります。その際は、現在の権利を引き継いでいる金融機関を探し出して連絡する必要がありますが、これも司法書士にご相談いただければ調査が可能です。

ステップ3:法務局へ抵当権抹消登記を申請する

金融機関から書類の再発行を受けたら、いよいよ法務局へ抵当権抹消登記を申請します。しかし、前述の通り、最も重要な「登記済証(登記識別情報)」が手元にありません。

このような場合、原則として「事前通知制度」という方法を利用して手続きを進めることになります。

これは、登記申請後に法務局から金融機関(登記義務者)宛に「本当に抵当権を抹消して良いですか?」という確認の通知書が送付される制度です。金融機関がその通知書に署名・押印して法務局へ返送し、内容に問題がなければ、登記が実行される仕組みです。

この制度を利用すれば、登記済証がなくても抵当権を抹消できます。ただし、通知の送付や返送に時間がかかるため、通常の登記申請よりも少し日数がかかる点は留意しておきましょう。司法書士に依頼すれば、こうした一連の複雑な手続きもすべて任せることができます。

参考:○登記済証(権利証)を紛失したのですが,どうしたらよいので …

書類がない場合の抵当権抹消|2つの代替手続き

「登記済証(権利証)」や「登記識別情報」がない場合に抵当権を抹消するための代替手続きについて、もう少し詳しく見ていきましょう。主な方法は「事前通知制度」と「本人確認情報作成制度」の2つです。

原則は「事前通知制度」を利用

先ほども触れましたが、最も一般的な方法がこの「事前通知制度」です。追加の費用がかからず、法務局の正規の手続きとして定められているため、多くの場合でこの方法が選択されます。

手続きの流れを簡単にまとめると以下のようになります。

  1. 登記済証(登記識別情報)を添付せずに、法務局へ抵当権抹消登記を申請する。
  2. 法務局が登記義務者に対して通知を送付する(法務局の定める送達方法による)。詳細は法務局の案内や司法書士にご確認ください。
  3. 金融機関が通知を受領後、所定の手続きを経て返送する(通常一定の処理期間を要するため時間を要する場合があります)。具体的な日数については、法務局の最新の案内を参照するか、司法書士にご確認ください。
  4. 法務局が返送された通知書を確認し、問題がなければ登記手続きを実行する。

特に手続きを急ぐ理由がなければ、この方法で着実に抵当権を抹消することができます。

お急ぎの場合は司法書士の「本人確認情報」を活用

一方で、まれに事前通知に対応していない金融機関があります。

あるいは、「相続した不動産をすぐに売却する予定がある」など、抵当権抹消を急ぐ必要があるケースも存在します。事前通知制度は、郵便のやり取りに時間がかかるため、売買の決済日に間に合わない可能性があります。

そのような場合に活用できるのが、司法書士が作成する「本人確認情報」を法務局に提供する方法です。

これは、司法書士が登記義務者(この場合は金融機関の担当者)と面談し、運転免許証などの本人確認資料の確認や、登記申請の意思確認を行った上で、「この登記申請は、間違いなく本人の意思に基づくものです」という内容の証明書を作成し、登記申請書に添付するものです。

この本人確認情報を添付すれば、法務局からの事前通知を省略できるため、スピーディーに登記を完了させることができます。ただし、司法書士が専門家としての責任を負って作成する書類のため、別途費用がかかります。

どちらの方法が最適かは状況によって異なりますので、司法書士と相談しながら進めるのが良いでしょう。

司法書士が「本人確認情報」と書かれた書類に印鑑を押している様子。専門性と信頼性を表している。

相続登記と抵当権抹消を司法書士に依頼するメリットと費用

ここまで読んで、「手続きが思ったより複雑そうだ…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。相続登記と古い抵当権の抹消は、セットで司法書士に依頼することで、多くのメリットがあります。

複雑な手続きや金融機関とのやり取りもすべてお任せ

司法書士に依頼する最大のメリットは、時間的・精神的な負担から解放されることです。

  • 相続人の調査(戸籍収集)や遺産分割協議書の作成
  • 法務局への相続登記申請
  • 金融機関への連絡、抹消書類の再発行依頼
  • 登記済証がない場合の特別な登記申請(事前通知など)

これら一連の煩雑な手続きを、すべて専門家が窓口となって代行します。特に、金融機関とのやり取りは、担当部署を探したり、必要書類を正確に伝えたりと、慣れていないと手間取ることも少なくありません。すべてを専門家に任せることで、あなたは安心して日常を過ごしながら、手続きが完了するのを待つだけです。

山積みの複雑な相続書類と、きれいに整理された一つのファイル。司法書士による手続きの整理を象徴する画像。

費用の目安は?(登録免許税+司法書士報酬)

司法書士に依頼する場合の費用は、大きく分けて「実費」と「司法書士報酬」の2つで構成されます。

【実費】

  • 登録免許税(登記申請時に国に納める税金)
    • 相続登記:不動産の固定資産税評価額 × 0.4%
    • 抵当権抹消登記:不動産1個につき1,000円
  • その他:戸籍謄本や住民票の取得費用、郵送費など

【司法書士報酬】

事務所によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 相続登記:7万円~15万円程度
  • 抵当権抹消登記:1万5,000円~2万円程度

当事務所では、相続登記と抵当権抹消登記をセットでご依頼いただくことも多く、その場合は効率的に進められるため、費用面でもご納得いただけるご提案が可能です。詳しい料金については、当事務所の料金一覧をご覧ください。初回のご相談は無料ですので、まずはお見積りだけでもお気軽にお問い合わせください。

まとめ:まずは司法書士へ無料相談を

相続登記の際に発覚した、何十年も前の古い抵当権。書類もなく、どうすればよいかと途方に暮れてしまうお気持ちは、痛いほどよく分かります。

しかし、この記事でお伝えしてきたように、解決への道筋はきちんと用意されています。相続登記と抵当権抹消は手続きが複雑に絡み合いますが、一つひとつを専門家と一緒に整理していけば、必ずゴールにたどり着けます。

大切なのは、一人で抱え込まず、まずは専門家である司法書士に相談してみることです。それが、ご不安を「安心」に変えるための、最も確実で、最も早い第一歩となります。

いがり綜合事務所では、相続手続きや抵当権抹消に関するご相談を無料で承っております。平日夜間や土日祝のご相談にも柔軟に対応しておりますので、お仕事でお忙しい方も、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。あなたのお悩みに寄り添い、円満な解決まで全力でサポートいたします。

相続登記・抵当権抹消に関する無料相談はこちら

遺言書で相続登記費用は安くなる?費用の仕組みと節約のコツを解説

2025-11-12

「遺言書があれば相続登記費用が安くなる」は本当?

「遺言書があれば、相続登記の費用が安くなるって本当?」

ご親族が亡くなられ、相続手続きを前にした多くの方が抱く素朴な疑問です。結論から申し上げますと、一般的には遺言書があれば手続きが簡略化され、費用を抑えられる場合が多いとされています。ただし、遺言の種類や内容によっては費用や手続きが増えるケースもあります。

相続登記の費用は、大きく分けて「税金(登録免許税)」「書類取得などの実費」「専門家への報酬」の3つで構成されています。このうち、遺言書があることで特に大きく節約できる可能性があるのが「司法書士への報酬」の部分です。

遺言書は、単に財産の分け方を指定するだけでなく、残されたご家族のさまざまな負担を軽くしてくれる、大切な「道しるべ」となります。この記事では、なぜ遺言書があると費用を抑えられるのか、その具体的な仕組みと、知っておきたい注意点について、相続の専門家である司法書士が分かりやすく解説します。

相続登記にかかる費用の内訳を理解しよう

まず、相続登記にどのような費用がかかるのか、全体像を把握しておきましょう。主に以下の3つの費用から成り立っています。

①登録免許税:不動産の価値で決まる税金

登録免許税は、不動産の名義変更(登記)をする際に、法務局へ納める税金です。遺言書の有無にかかわらず、原則として支払う必要があります。

税額は、以下の計算式で算出されます。

登録免許税 = 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%

例えば、固定資産税評価額が2,000万円の土地と建物を相続する場合、登録免許税は8万円(2,000万円 × 0.4%)となります。この税率は、原則として遺言書があってもなくても変わりません。ただし、後述しますが「遺贈」というケースでは税率が変わることがあるため注意が必要です。

参考:No.7191 登録免許税の税額表

②必要書類の取得費用:戸籍謄本などの実費

相続登記を申請するには、亡くなった方(被相続人)や相続人の戸籍謄本、住民票、不動産の固定資産評価証明書など、さまざまな公的書類が必要です。これらの書類を取得するための手数料がかかります。

相続人の人数や、亡くなった方の本籍地が何度も変わっている場合などは、集める戸籍の数が多くなり、費用もかさみます。一般的には、数千円から1万円を超える程度が目安となります。

実はこの部分も、遺言書があることで必要な戸籍の範囲が狭まり、結果的に費用を抑えられる可能性があります。

③司法書士への報酬:手続き代行の専門家費用

相続登記はご自身で行うことも可能ですが、手続きが複雑で専門的な知識を要するため、多くの方が司法書士に依頼されます。その際に発生するのが、手続きを代行する専門家への報酬です。

この司法書士への報酬は遺言書の有無で変わることが多く、報酬が費用構成に占める割合が大きい場合には影響が目立ちます(事案によります)。一般的な相続登記の司法書士報酬の目安は事務所や事案により幅がありますが(例えば7万円〜15万円程度とする参考情報もあります)、具体的な金額は個別のお見積もりでご確認ください。

相続登記費用の内訳を計算するイメージ。そろばんと電卓、現金が置かれている。

なぜ遺言書があると相続登記費用を節約できるのか?

では、具体的に「なぜ」遺言書があると司法書士の報酬や実費を抑えることができるのでしょうか。その主な理由を3つのポイントから解説します。

理由1:遺産分割協議書の作成が不要になる

遺言書がない場合、相続人全員で「誰がどの財産を相続するのか」を話し合い、その合意内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成する必要があります。この書類には、相続人全員が署名し、実印を押さなければなりません。

相続人同士が遠方に住んでいたり、関係性が複雑だったりすると、この話し合いと書類の取りまとめは大変な時間と労力がかかります。司法書士が遺産分割協議書の作成をサポートする場合、通常、数万円の報酬が別途発生します。

しかし、有効な遺言書があれば、原則として遺産分割協議は不要です。遺言書の内容に従って手続きを進められるため、協議書作成にかかる司法書士報酬がまるごと節約できるのです。これは費用面だけでなく、相続人間の話し合いという精神的な負担を軽減する「見えないコスト」の削減にも繋がる、非常に大きなメリットです。

理由2:必要となる戸籍謄本の収集範囲が狭まる

遺言書がない場合、法律で定められた相続人(法定相続人)が誰なのかを確定させるため、亡くなった方の「出生から死亡までの一連の戸籍謄本すべて」を取り寄せる必要があります。これは、他に相続人がいないことを証明するために不可欠な手続きです。

一方、遺言書で不動産を相続する人が明確に指定されていれば、必要な戸籍謄本の範囲を限定できる場合があります。特に、後述する「公正証書遺言」であれば、手続きがより簡略化されます。

集める戸籍が少なくなれば、取得にかかる実費はもちろん、司法書士に戸籍収集を依頼した場合の代行費用も抑えることができます。

理由3:「遺言執行者」がいれば手続きが格段にスムーズに

少し専門的な話になりますが、遺言書で「遺言執行者」を指定しておくと、手続きはさらにスムーズになります。遺言執行者とは、その名の通り、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う権限を与えられた人のことです。

遺言執行者がいれば、不動産の相続登記を、他の相続人の協力を得ることなく単独で申請できます。もし遺言執行者がおらず、かつ法定相続人でない方に遺言で不動産を譲る場合、不動産を取得する相続人と、それ以外の相続人全員が共同で登記申請(または委任状に署名押印)をしなければならないケースがあり、手続きが煩雑になる可能性があります。

手続きが迅速に進むということは、司法書士が費やす時間や工数も削減されるため、結果的に報酬の抑制に繋がるのです。

【相談事例】公正証書遺言で費用と手間を抑えられたケース

先日、ご相談にいらっしゃったAさんの事例をご紹介します。(※この事例は、内容を一般化・抽象化したものであり、特定の個人を識別できるものではありません。)Aさんはお父様を亡くされ、ご自宅不動産の相続登記について不安な面持ちで事務所のドアを叩かれました。

「父が亡くなったのですが、相続登記には一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか…」

お話を伺うと、幸いにもAさんのお父様は生前に「自宅不動産は長男であるAに相続させる」という内容の公正証書遺言をきちんと作成されていました。この一点が、Aさんの負担を大きく軽減することになります。

私たちはAさんにこうご説明しました。

「お父様が公正証書遺言を残してくださったおかげで、手続きはとてもスムーズに進められますよ。まず、相続人の皆さんで話し合って『遺産分割協議書』を作る必要がありません。これだけで、司法書士の費用も数万円は抑えられますし、何よりご兄弟と書類のやり取りをする手間が省けます。必要な戸籍も少なくて済みますから、実費も時間も節約できます。」

Aさんは当初、何十万円もかかるのではないかと心配されていましたが、遺言書がない場合に比べて費用を抑えられること、そして手続きがシンプルになることをご理解いただくと、みるみる表情が和らいでいきました。

最終的に、私たちは遺言書の内容に沿ってスムーズに相続登記を完了させることができ、Aさんからは「父が遺言書を書いておいてくれて本当に良かった。安心しました。」と、心からの感謝の言葉をいただくことができました。この事例は、適切な遺言書が、残されたご家族にとってどれほど大きな「安心」に繋がるかを物語っています。

注意!遺言書があっても費用が高くなる・複雑化する3つのケース

ここまで遺言書のメリットをお伝えしてきましたが、「遺言書さえあれば万事OK」というわけではありません。遺言書の種類や内容によっては、かえって費用が高くなったり、手続きが複雑になったりするケースもあります。専門家として、そうしたリスクについても正直にお伝えします。

ケース1:自筆証書遺言の「検認」で手間と費用がかかる

ご自身で手書きする「自筆証書遺言」は、費用をかけずに手軽に作成できるのがメリットです。しかし、亡くなった後にその遺言書を使って手続きをするには、原則として家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きを経なければなりません。(※法務局の保管制度を利用した場合は不要)

検認手続きのためには、相続人全員の戸籍謄本などを集めて裁判所に申し立てる必要があり、数千円の実費と数ヶ月の時間がかかります。司法書士に依頼する場合はさらに数万円の報酬が上乗せされます。せっかく費用を抑えるために自筆で書いたのに、結果的に手間と実費がかさんでしまう可能性があるのです。

参考:遺言書の検認

ケース2:遺言書の文言が曖昧で登記に使えない

「自宅の土地建物を長男に相続させる」

一見、問題なさそうに見えるこの一文も、法務局の登記手続きでは通用しないことがあります。登記申請では、不動産を登記簿(登記事項証明書)に記載されている通りに、地番や家屋番号まで正確に特定して記載する必要があるからです。

もし遺言書の記載が不正確・不十分だと、その遺言書だけでは登記ができず、結局、相続人全員で遺産分割協議書を作成し直すことになりかねません。そうなれば、遺言書を作成した意味がなくなってしまいます。

ケース3:相続人以外への「遺贈」で登録免許税が5倍になる

「お世話になった知人に不動産を譲りたい」「孫に不動産を遺したい」といったケースです。法定相続人ではない人に遺言で財産を譲ることを「遺贈(いぞう)」と言います。

この遺贈によって不動産の名義変更をする場合、登録免許税の税率が、相続の場合の0.4%から2.0%へと5倍に跳ね上がります。

例えば、評価額2,000万円の不動産の場合、相続なら8万円の登録免許税が、遺贈だと40万円にもなってしまうのです。良かれと思ってしたことが、かえって高額な税負担を強いる結果になる可能性があるため、十分な注意が必要です。

最も確実な節約方法は「登記を見据えた公正証書遺言」です

では、どうすれば将来の相続登記費用と手間を、最も確実かつ効果的に節約できるのでしょうか。

その答えは、「将来の登記手続きまで見据えて、専門家が関与して作成する公正証書遺言」を備えておくことです。

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成に関与するため、法的な不備や内容の曖昧さがなく、無効になるリスクが極めて低いのが特徴です。

  • 家庭裁判所での検認手続きが不要で、すぐに手続きに入れる。
  • 不動産の表示など、登記に使える正確な記載が担保される。
  • 原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がない。

作成時に費用はかかりますが、自筆証書遺言で起こりうる様々なリスクや、将来相続人が負担するであろう費用・手間・精神的ストレスを考えれば、結果的に最も安く、そして安心な方法と言えるでしょう。当事務所でも、ご状況に応じた遺言書作成業務についてサポートを行っております。(事務所名:司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所、所在地:神奈川県川崎市川崎区宮前町12番14号 シャンボール川崎505号、司法書士:猪狩 佳亮、所属:神奈川県司法書士会)

相続登記の費用でお悩みなら、いがり綜合事務所へご相談ください

この記事では、遺言書と相続登記費用の関係について解説してきました。遺言書は、多くの場合で費用と手間の節約に繋がりますが、その内容や種類によっては意図しない結果を招くこともあります。

「自分の場合はどうなんだろう?」
「どの方法が一番良いのか分からない…」

そうお感じになるのは当然のことです。相続の形は、ご家族の数だけ存在します。

私たち、いがり綜合事務所(いがり円満相続相談室)は、川崎市・横浜市を中心に、これまで数多くの相続手続きをお手伝いしてまいりました。お金のことはもちろん皆様が気にされる大切な点です。だからこそ、私たちは一人ひとりのお話をじっくりと伺い、ご状況を正確に把握した上で、費用面にも配慮した最適な手続き案をご提案します。

初回のご相談は無料です。ご状況を丁寧に伺い、手続きや費用について分かりやすくご説明します。まずはお気軽にお問い合わせください。

まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください

相続放棄した人の子は相続できる?代襲相続との違いを解説

2025-11-11

【結論】相続放棄した人の子に相続権は移らない

ご親族が亡くなられ、相続の手続きを進める中で「相続放棄」や「代襲相続」といった言葉を耳にして、混乱されている方もいらっしゃるかもしれませんね。特に、「親が相続を放棄したら、その子どもである孫が代わりに相続することになるの?」という疑問は、多くの方が抱かれるものです。

まず、大切な結論からお伝えします。親が相続放棄をしても、その子ども(被相続人から見て孫)が代わりに相続人になることはありません。これは、民法第939条で、法律上、相続放棄をした人は「初めから相続人ではなかった」とみなされるからです。もともと相続人ではないのですから、その人に代わって誰かが相続する「代襲相続」という考え方自体が発生しないのです。

この記事では、多くの方が混同しがちな「相続放棄」と「代襲相続」の関係、そしてなぜ「相続放棄」と「死亡」とで結論が全く異なるのかを、具体的なケースを交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。どうぞご安心ください。

【司法書士の相談事例】相続放棄と代襲相続を混同したケース

先日、当事務所にも、まさにこの問題で悩んでいらっしゃる方からのご相談がありました。

ご相談者は、お父様を亡くされたご子息でした。相続人は長男と二男のお二人です。

しかし、長男の方はご自身の考えで家庭裁判所にて相続放棄の手続きを済ませていました。これで相続人は二男の方ひとりになったと思いきや、ご相談者はインターネットで「代襲相続」という言葉を目にして、急に不安に駆られたそうです。

「兄には子どもが二人(父から見て孫)います。兄が相続放棄をしたことで、あの子たちが代わりに相続人になる『代襲相続』というのが発生するのではないでしょうか?もしそうなら、遺産分割協議書に甥や姪の署名捺印も必要になるのでしょうか…?」

ご相談者のご心配はもっともです。もし甥や姪も相続人となれば、手続きはより複雑になります。

私はご相談者に、まず落ち着いていただくようお伝えし、次のようにご説明しました。「ご安心ください。お兄様がされたのは『相続放棄』ですね。相続放棄をした場合、その方は『初めから相続人ではなかった』と扱われます。そのため、お子さんたちに相続権が移る代襲相続は発生しません。相続人はあなた様お一人だけですよ。」

この説明に、ご相談者は心から安堵されたご様子でした。その後、ご相談者から正式にご依頼いただき、お兄様の「相続放棄申述受理証明書」を家庭裁判所から取り寄せるなど、必要な手続きを一つひとつ丁寧に進め、無事にご相談者単独名義での相続登記を完了することができました。

このように、少しの知識の違いが、手続きの負担や心労を大きく左右することがあります。早めに専門家に相談することが解決の助けになることが多いです。

代襲相続とは?基本をわかりやすく解説

それでは、そもそも「代襲相続」とはどのような制度なのでしょうか。基本から確認していきましょう。

代襲相続とは、本来、相続人になるはずだった人(子どもや兄弟姉妹)が、被相続人(亡くなった方)より先に亡くなっているなどの理由で相続できない場合に、その人の子どもが代わりに相続する制度のことをいいます。

例えば、祖父が亡くなったとします。本来であれば、祖父の子どもである父が相続人になります。しかし、もし父が祖父よりも先に亡くなっていた場合、父に代わってその子ども、つまり祖父から見ると孫が相続人になります。これが代襲相続の典型的な例です。

この制度があることで、下の世代へ財産が引き継がれる機会が確保されるのです。より詳しい内容は「法定相続人とは?図を使って分かりやすく解説②(代襲相続編)」でも解説していますので、ご参照ください。

代襲相続が発生する3つの原因

代襲相続はいつでも起こるわけではありません。法律で定められた、以下の3つの場合に限られます。

  • ① 相続人の死亡
    最も一般的なケースです。被相続人よりも先に、相続人となるはずの子どもや兄弟姉妹が亡くなっている場合です。
  • ② 相続欠格(そうぞくけっかく)
    相続人が、被相続人を殺害しようとしたり、遺言書を偽造したりするなど、相続において不正な行為をした場合に、法律上、相続権が強制的に剥奪されることです。
  • ③ 廃除(はいじょ)
    相続人が、被相続人に対して虐待や重大な侮辱を行った場合に、被相続人の意思で家庭裁判所に申し立て、その相続人の相続権を剥奪することです。

ここで重要なポイントは、この3つの原因の中に「相続放棄」は含まれていないということです。代襲相続は民法第887条等に定められた制度ですが、相続放棄は民法第939条により「初めから相続人ではなかった」と扱われるため、代襲は生じないのです。

なぜ?相続放棄と死亡で代襲相続の結論が違う理由

「相続する権利がなくなる」という点では、相続放棄も死亡も似ているように感じるかもしれません。しかし、法律上の扱いは全く異なり、それが代襲相続の有無という大きな違いを生み出します。

なぜ結論が違うのか、それぞれのケースを比較しながら、その理由を詳しく見ていきましょう。

ケース① 相続人が「相続放棄」した場合

相続放棄とは、家庭裁判所に申述することで、プラスの財産(預貯金や不動産)もマイナスの財産(借金など)もすべて引き継がないという意思表示をすることです。

相続放棄が受理されると、その人は「初めから相続人ではなかった」とみなされます。これが最も重要なポイントです。

もともと相続人ではなかったのですから、その人が持っていたはずの「相続権」というもの自体が存在しなくなります。存在しない権利を、その子どもが引き継ぐことはできません。そのため、代襲相続は発生しないのです。

では、放棄された相続権はどうなるのでしょうか?それは、次の順位の相続人に移っていきます。例えば、亡くなった方の子ども全員が相続放棄をした場合、相続権は親(第二順位)、親もいなければ兄弟姉妹(第三順位)へと移っていきます。なお、法定相続人の順位は民法第887条以下に定められています。

つまり、相続放棄は相続権を「下の世代」に渡すのではなく、「次の順位の相続人」にバトンタッチするイメージです。

相続放棄をした場合の相続権の流れを示す家系図。相続権が次順位の相続人に移っている。

ケース② 相続人が「死亡」していた場合

一方、相続人が被相続人より先に亡くなっていた場合は、状況が全く異なります。

亡くなった相続人は、相続が発生した時点ではこの世にいませんが、法律上「相続人であった」という事実に変わりはありません。その人が本来持っていたはずの「相続権」は消滅せず、そのまま子どもに引き継がれます。

これが「代襲相続」です。

つまり、相続人の死亡は、相続権を消滅させるのではなく、「下の世代」に承継させる効果があるのです。

このように、「相続放棄」と「死亡」では、相続権の扱いが根本的に異なります。

  • 相続放棄 → 相続権が消滅し、次順位の相続人に移る
  • 死亡 → 相続権が承継され、その子ども(孫など)に移る

この違いを理解することが、相続の全体像を正しく把握する鍵となります。

相続人が死亡した場合の相続権の流れを示す家系図。相続権が子(孫)に代襲相続されている。

相続人の特定は相続手続きの第一歩

ここまで見てきたように、相続放棄や代襲相続が発生すると、誰が本当の相続人なのか、その関係は一気に複雑になります。

そして、この「誰が相続人なのか」を正確に確定させる「相続人調査」は、すべての相続手続きにおける最も重要で、最初に行うべきステップです。

なぜなら、もし相続人が一人でも漏れた状態で遺産分割協議を行っても、その協議は法的に無効となってしまうからです。後から本当の相続人が現れた場合、すべての手続きを最初からやり直さなければならず、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

自分で判断は危険!戸籍の収集・読解は専門家へ

相続人を法的に確定させるためには、亡くなった方(被相続人)の「生まれてから亡くなるまで」の連続したすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本など)を取得する必要があります。

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  • 戸籍を読み解き、前妻との間の子どもや、認知した子どもがいないかなど、すべての相続関係を正確に把握するには専門的な知識が必要。

「自分たちには、他に相続人はいないはず」という思い込みで進めてしまうのは、非常に危険です。戸籍を正確に収集し、法的な観点から読み解く作業は、私たち司法書士のような専門家にお任せいただくのが、最も確実で安心な方法です。

虫眼鏡で古い戸籍謄本を読んでいる様子。相続人調査の難しさを示している。

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